Photo by Yoshihisa Wada
伊藤忠商事とJR東日本が不動産分野で手を組むという、異例のタッグが動きだした。狙いは両社の子会社統合による住宅事業の強化だが、伊藤忠の真木正寿・住生活カンパニープレジデントは「商社はご用聞き」と語り、JR東日本が抱えていた“ある悩み”に勝機を見いだしたと明かす。連載『クローズアップ商社』の本稿で、単なる不動産開発にとどまらない、巨大鉄道網と総合商社のバリューチェーンを掛け合わせた「新ビジネス」の全貌に迫る。(聞き手/ダイヤモンド編集部 大川哲拓)
「困り事」に商社がアプローチ
JR東へ仕掛けた異例の提携提案
――なぜ今回、JR東日本を協業相手に選んだのですか。
そもそも、われわれ商社は、ある意味で「ご用聞き」です。お客さまが問題に感じていることや困っていることに対応するのが基本的な考え方にあります。
JR東日本さんは、例えば高輪ゲートウェイなどの駅周辺開発に関しては相当なノウハウを持たれていますが、住宅系ビジネスなどは持たれていないことを、われわれはよく理解していました。あれだけ地域住民との接点がありながら、住宅事業ができていないことに、彼らは歯がゆい思いをしてきたはずです。
だから「恐らく困っているだろう」と考え、われわれから昨年の春ごろにアプローチをしました。われわれからしても願ってもないことですし、先方も住宅系に強いパートナーを求めていた。そこにうまくタイミングが合致したということです。
両社は将来的にSuica(スイカ)など不動産以外の領域での協業も視野に入れている。日本最大の鉄道会社に目を付けた伊藤忠の狙いとは何なのか。次ページでは、真木正寿・住生活カンパニープレジデントが不動産ビジネスにおける商社の強みや、子会社の経営統合によって描く未来像を明かす。







