日野と三菱のブランドは維持も
経営はダイムラー主導となる

 なお、日野自と三菱ふそうの両ブランドは維持されるが、アーチオンの議決権比率はダイムラー26.7%、トヨタ19.9%と、経営はダイムラー主導となる。アーチオンの代表取締役CEOは、三菱ふそうのカール・デッペン社長が就き、小木曽聡日野自動車社長は、取締役CTO(最高技術責任者)に就く。

 また、ブランド会社としての日野自動車の新社長には、サティヤカーム・アーリャ氏、三菱ふそうトラック・バス新社長にはフランツィスカ・クスマノ氏といずれもダイムラー出身者が就任する。

 日野自と三菱ふそうは経営統合により工場の集約、プラットフォーム(車台)統合によるコスト競争力強化、燃料電池(FC)システムや自動運転開発などでシナジーを出す計画だ。乗用車以上に商用車の業界再編が進む背景には、市場の変化と技術の進化による競争に対応しなければ生き残れないことが挙げられる。

台湾資本となるのは異例
EV合弁も時代を表すケース

 ここで、新たに台湾資本が絡んで日本市場に進出してくることに話を戻そう。

 日野自と三菱ふそうは経営統合後も両社のブランドを残すので、販売面では競合関係にある。日野自側は特定の地域では寡占状態となる可能性があり、子会社販社の譲渡先を探していた。

 そこで1952年から協力関係を築いてきた和泰に打診したところ、和泰は日本市場に進出することが海外展開における重要なマイルストーンになると判断。長期的な成長戦略の第一歩にしたというわけだ。

 日野自の国内主要販社のオーナーが台湾資本となるのは異例のケース。もちろん、三菱ふそうとホンハイのEV合弁も時代を表す新しいケースだ。

 中国と台湾の地政学的動向や、台湾が親日であることも含めて今後、台湾資本の日本進出はさらに多方面で活発になりそうだ。

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