総合1位は三井物産
成長機会が鍵に

 ランキングのトップ5を見ると、1位は三井物産、2位は電通、3位はP&Gジャパン、4位はアビームコンサルティング、5位はPwCコンサルティングだった。

 上位企業に寄せられたクチコミからは、社員一人ひとりの希望やキャリア志向を尊重し、成長の機会を提供している点が共通して見られた。単に仕事を任せるだけでなく、研修制度やキャリア開発支援など、成長を支える仕組みが整っていることが特徴である。

 今回は8つの部門別ランキングのうち、近年注目されているテーマを踏まえ、「社員の士気」(理念や目標の浸透が熱意ある職場をつくる)と「風通しの良さ」(フラットな文化が組織の強さを支える)部門に焦点を当てて特徴を紹介する。

 近年、日本でも退職はしないが最低限の仕事しかせず、熱意を失った状態で働く「静かな退職」が話題となった。個人の価値観は多様であるものの、同僚への負担増や組織全体の生産性低下につながりかねず、企業にとって軽視できない働き方である。

 こうした停滞感とは対照的に、社員一人ひとりが熱意を持って働く職場にはどのような特徴があるのか。「社員の士気」部門にランクインした企業のクチコミからは、企業理念や「業界トップを目指す」といった明確な目標に向かい、社員が一丸となって仕事に取り組んでいる様子がうかがえた。

 理念や目標が共通言語として浸透しているからこそ、社員が迷いなく同じ方向を向き、組織として強い推進力を生み出していると考えられる。

 多くの企業が理念やスローガン、行動指針を定めている一方で、それを現場に浸透させることは容易ではない。社員が自然と合言葉のように口にするまで文化を醸成し、熱意へと転換できる企業こそが、強い組織基盤を築いていると言える。

 ビジネス環境が大きく変化する中で、年齢や年次を問わない実力・成果主義が注目されている。組織には過去の成功体験に縛られない柔軟な判断が求められる時代である。不確実な時代において、上下の隔たりなく現場の気づきや異論が速やかに共有されるフラットな社風は、組織の死角をなくし、迅速な軌道修正を可能にする。

「風通しの良さ」部門にランクインした企業のクチコミからは、協調性を持った人材が多いことや、若手のうちから自律性が求められ、意見が尊重される風土があることが読み取れる。

 誰もが意見を言える環境が整っているからこそ、個人の主体性が引き出され、変化に即応できる柔軟な強みが生まれていると考えられる。

 最後に、ランクインした企業のクチコミを見てみよう。