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AI・半導体株がけん引する株価高騰
“熱狂”の陰に中央銀行の緩和政策
日経平均株価は、週明け5月11日も、一時6万3385円04銭まで上昇、5月7日に初めてつけた6万3000円台の最高値を更新するなど、上昇基調が続いている。
活況を続ける米国S&P500などの動きを反映したものだが、イラン情勢が依然不透明な中、原油価格が長期間高止まるとの見方も強まり、当然、世界経済への負の影響もその分大きくなるはずだが、グローバル株式市場の動きを見ると、そういった懸念は逆に徐々に後退しつつあるかのようだ。
特にAI、半導体関連を中心に米国株はS&P500などの主要指数が、すでに米国、イスラエルのイラン軍事攻撃開始前の水準を上回っている。米国企業だけの指数ではないが、半導体株の代表的な指数であるSOX指数は、軍事攻撃前の水準を既に5割近くも上回っている。
世界的な半導体株の上昇は、特に日経平均株価を大きく押し上げる形となっている。より広汎な企業をカバーするTOPIXは依然として攻撃前の水準を約3%下回っており、中東へのエネルギー依存度の高さは株価に反映されている。
半導体株の上昇も、米国での半導体売り上げが前年比倍増、アジアでは同2.5倍増と前例のない急増を見せている足元の状況を踏まえると、必ずしも実体を伴わない株価上昇とは言えない。
とはいえ、軍事攻撃を機にしたホルムズ海峡封鎖による原油価格高騰のショックからあっという間に回復した米国株市場、過去のトレンドから乖離(かいり)して上昇を続ける半導体関連株の動きには、1990年代後半から2000年にかけての「ITバブル」期をほうふつさせる「熱狂」や過熱の気配も漂う。
だが、当時と大きく異なるのは、金利水準が過去と比べて低いことだ。より正確に言えば、実体経済あるいはマクロ・ファンダメンタルズ対比でも低いという点だ。
これには、2010年代以降、主要国の中央銀行が緩和的な金融政策を続けてきたこととともに、直近でも物価目標を超えるインフレ率を暗黙のうちに容認するように、低利を維持していることが反映されている。







