日本銀行の支店長会議に臨む植田和男総裁日本銀行の支店長会議に臨む植田和男総裁=4月6日、東京の同本店[代表撮影] Photo:JIJI

3月短観だけで利上げ前倒し材料にならず
中長期のインフレ予想、トレンドからの早期の上振れは見えず

 中東情勢の緊迫化と原油価格の高騰に直面する中、日本銀行の金融政策運営は難しい局面を迎えている。

 日本経済自体は堅調で人手不足などを背景に今春闘も高賃上げが続くなど、日銀が金融緩和の調整を進める上で前提とする物価と賃金、景気の好循環が根底では維持されている。

 だが一方で、2月28日の米国、イスラエルによるイラン攻撃を機にホルムズ海峡が実質封鎖され、原油価格高騰などの物価上振れや景気下押しへの影響が懸念される局面だ。

 3月金融政策決定会合での追加利上げを見送った日銀だが、4月1~2日に発表した3月日銀短観(全国企業短期経済観測調査)は、イラン攻撃開始後に実施された調査であることから、中東情勢がもたらす企業の景況やインフレ予想への影響を(部分的にでも)読み取る機会として注目された。

 だが、3月短観は、(1)基調的な物価の上昇を示唆しつつも、(2)中長期インフレ予想の急速な上振れは示さなかった。

 4月27、28日に予定される4月決定会合での利上げ判断はどうなるか。

 3月日銀短観が単独で、利上げの前倒し材料になることはないとみている。筆者は6月の利上げをメイン、4月の利上げをリスクシナリオと見ているが、両者の確率は僅差だ。