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高市首相、衆院解散を表明
積極拡張路線「審判」に、市場は株高・債券安・円安
高市早苗首相は、1月19日に記者会見し、通常国会冒頭に衆院を解散する意向を正式に表明した。
「強い経済」を実現したいという首相の意欲には賛同するが、参議院が依然、少数与党の下で、まずは衆議院での安定過半数を取り、政策実行のために政権基盤の安定を目指すという戦略が国民に受け入れられるだろうか。
2025年10月の政権発足以来、物価対策などの総合経済対策を盛り込んだ25年度大型補正予算の閣議決定、さらには歳出規模が最大となった26年度当初予算案編成など、「責任ある積極財政」を掲げて、財政拡張路線を進めてきた。
突然の衆院解散で、総合対策の実施は後回しとなり、26年度予算の暫定予算編成は必至で、「政局優先」という批判も強まると予想される。
なにより、収まりかけていた消費税減税論が与野党から噴出し、財政ポピュリズムに火をつけたことが気がかりだ。
需給ギャップは均衡しインフレが進む状況なのに、旧態依然の「規模ありき」が踏襲される一方で、従来の財政規律維持の基本だった「基礎的財政収支(PB)黒字化」目標の取り下げや、政府債務を、政府資産を除いた純債務で考えるリフレ派の発想を続ければ、財政規律の低下を通じて日本経済への信認が損なわれる可能性がある。
税制改正では、「年収の壁、178万円への引き上げ」やガソリン税の旧暫定税率廃止など、野党の要求ものんだ減税のラインアップが並んだが、代替の財源の確保は曖昧で、すでに10年国債の利回りは2.2%を上回り、約27年ぶりの高水準だ。株式市場は「高市トレード」で期待を強めているが、円安は加速している。
劣化した財政・税制の議論は、市場からの手痛いしっぺ返しが起きる可能性があるだけでなく、国民生活、それも経済弱者に大きな悪影響を及ぼす。
「民意」はどう判断するのだろうか。







