トランプに学んではいけない3つの特徴
ここまでコミュニケーション技法として分析してきましたが、正直に言えば、この演説には首を傾げたくなる点も少なくありません。内容への批判というよりも、英語のプレゼンやスピーチで注意が必要な点です。
まず、過剰な誇張表現が多い。演説内では、The biggest in historyやThe best ever、Like never beforeといった誇張表現が何十回も繰り返されます。【3】で解説した数字で裏付けられた主張がある一方で、根拠のない最上級表現も混在しているのです。そのため、どれが事実なのか、リスナーに判断が求められます。ビジネスの場でこの手法を多用すると、信頼を損ないかねません。
次に、名指し批判を多用している点。Biden《バイデン前大統領》やDemocrats《民主党》などの固有名詞を使って責任を転嫁するシーンが随所に見られます。政治の世界ではあり得えますが、ビジネスシーンで多用すると品が良くないです。
そして、自己賛美の連発です。I secured...、I kept my promise...、I got them bothといった、主語がIで始まる自慢の数々は、コミュニケーションのスタイルとしてはいかがなものでしょうか。
「伝わる英語」は意外と難しくない!
トランプ演説を分析して、伝わる英語は、難しい単語も複雑な文法も必要とないということを再確認しました。シンプルな言葉、繰り返し、数字、短文、問いかけ。これらは英語学習中の誰もが今日から実践できる要素です。
筆者が経営する英語コーチングスクールTORAIZにて、多くの学習者を見てきた経験から言えば、英語が上達しない人には特徴があります。それは「語彙力不足」でも「文法の誤り」でもありません。
「伝えようとする意志」と「英文の基本的構造への理解」が足りないのです。強力だけどシンプルなトランプ英語が証明しています。その内容の是非は横に置いておいて、トランプの演説から学ぶことは多いです。








