Photo by Yoshihisa Wada
メガバンク系の圧倒的資本力や、野村證券の盤石な国内網が火花を散らす投資銀行の主戦場。その中で「独立系」としての立ち位置を鮮明にし、独自のグローバル戦略で存在感を放つのが大和証券だ。一匹おおかみのスタープレーヤーに頼らず、海外のミッドキャップ領域を深掘りする独自の生存戦略を確立し、2030年にM&A収益1000億円を目指す。長期連載『金融インサイド』内の特集『インベストメントバンカー M&A請負人の正体』の#9で、グローバル・インベストメント・バンキング本部長の山本徹専務が、競合と一線を画す「大和流・勝利の方程式」の全貌を明かす。(聞き手/ダイヤモンド編集部副編集長 重石岳史)
NTTデータ2.4兆円ディールを獲得
順位後退も「過去最高収益」を更新
――2025年のリーグテーブルで、大和証券の関与金額は前年の3.8兆円から6.2兆円に増えました。一方で順位は4位から7位に後退しています(『トヨタ・NTT・ソフトバンクG巨大再編の陰の主役!「投資銀行」の最新序列、M&A50兆円市場急拡大で熾烈な人材争奪戦が勃発』参照)。この結果をどう総括していますか。
国内マーケットが非常に活況だったことが背景にあり、大和証券として存在感を発揮できたと考えています。ただ他社も案件を積み上げた中で、われわれとしては「もう一段やっていける余地がある、もっと頑張らねばならない」というのが率直な思いです。
現在、市場全体で政策保有株式の持ち合い解消が進んでおり、長年のお客さまとのリレーションシップが極めて重要になります。手法も多様化しており、事業会社側の選択肢も増えている。来年度もこの動きは高水準で続くとみており、われわれもより意識的に案件創出に取り組みたい。
――25年に大和証券がアドバイザーを務めた最大のディールはNTTデータグループの完全子会社化でした。
約2.4兆円という取引金額規模で非常に大きなディールでした。それ以外でも、トライアルホールディングスによる西友買収(大和証券がトライアル側のFA)など、4桁億円規模の案件にしっかり関与できています。国内のM&A収益・利益共に過去最高を更新する勢いです。
――NTTデータの案件を取れた理由は。
一言で言えば、長年の信頼関係です。大和証券はNTTデータさんの上場時から主幹事として伴走してきた歴史があります。彼らにとって過去最大のコーポレートアクションという重要な局面で、その歴史と信頼を評価いただけたことが選ばれた経緯だと認識しています。
―― 一方で大和証券は超大型案件より、「ミドルキャップ(中堅規模)」を主戦場にしている印象があります。
それは国内と海外で分けて考える必要があります。
国内では2.4兆円の巨大ディールに関与する一方、海外ではあえて米ゴールドマン・サックスら巨人と正面衝突しない「独自の生存戦略」を貫く大和証券。その鍵を握るのが、欧米のブティック型投資銀行を統合してつくり上げたプラットフォーム「DCアドバイザリー」だ。かつては買収先とのあつれきもあったという大和証券が、いかにして世界基準のチームプレーを確立させたのか。次ページで明らかにする。







