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小規模・高経年マンションでは、担い手不足、財源制約、管理会社の撤退リスクなどが重なり、従来型の運営が難しくなっている。制度改正により再生や売却などの選択肢は広がりつつあるが、現場では「何を選ぶか」以前に「誰が意思決定をリードするのか」が先に問題になる。管理委託を維持するのか、外部専門家を入れるのか、それとも別の出口も視野に入れるのか。連載『マンション羅針盤』の第25回では、実務の感覚から現実的な選択肢を整理する。(フルニール代表 中村優介)
根深い小規模築古マンションの問題
制度改正だけでは解消は不可能
マンション管理の世界で、いま最も厳しい立場に置かれている物件が小規模・高経年(築古)マンションでしょう。戸数が少なく、建物は古く、区分所有者も高齢化している。こうした物件では、これまで当たり前のように前提とされてきた「理事会で意思決定を行い、実務は管理会社に委託する」という管理組合の運営そのものが成立しにくくなっています。実際にこのようなマンションが、管理会社側から解約や値上げを打診される例も、珍しい話ではなくなりました。
他方、マンション管理を取り巻く制度はここ数年で大きく前に進んでいます。区分所有法改正や関連マニュアルの見直し等により、建替えだけでなく、建物の更新、敷地売却、取壊しなども含めた選択肢が整理されつつあります。国土交通省の関連マニュアル案でも、再生、売却、改修、除却、団地、被災対応などが体系的に示されています。
ただ、制度の選択肢が増えたからといって、すぐに物事が進むわけではありません。むしろ小規模・高経年マンションほど、「何を選ぶか」の前に「誰が意思決定を行い、実務を担うのか」という壁にぶち当たります。今回は、この問題について考えてみたいと思います。小規模・高経年マンションの管理において見逃されがちな盲点とは何か、そして現在こうしたマンションにお住まいの方や管理組合の理事をされている方は今後どう対策をしたらよいのかについても、次ページから詳しく見ていきましょう。







