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日本経済のチョークポイントを
どう克服するか、「石油ショック」超える衝撃
米国・イスラエルによるイラン攻撃に端を発する「イラン戦争」は、ホルムズ海峡閉鎖という事態を引き起こし、原油価格高騰やエネルギー供給不足で世界経済を混乱させている。
国際エネルギー機関(IEA)のトップであるビロル事務局長は、「1970年代の2回の石油ショックや、ロシアのウクライナ侵略よりも影響は大きい」と指摘、「世界のエネルギー安全保障は過去最大の脅威にさらされている」と述べている【注1】。
だが日本はこれまでのところ、ここまでの危機感は共有されていないようにみえる。
当面は原油備蓄などがあるほか、1970年代の石油ショック時に、日本経済は劇的に省エネと「脱石油」を進めた結果、一次エネルギーに占める石油依存度は69.7%(1973年)から29.4%(2024年度、資源エネルギー庁『総合エネルギー統計』)に、発電に至っては73%(73年度)から7.4%(2023年度)にまで低下しているからだ。
だが同時に、原油供給元の中東偏在や電力の化石燃料依存という日本経済の脆弱性も見えてきた。
チョークポイントの克服のためには、電源構成の「脱炭素化」と省エネを通じたエネルギー生産性の向上、そしてプラスチックなどの石油関連製品の再資源・再使用など、「循環経済」への移行という構造変化を迫られるだろう。
だが、かつての石油危機の際も、日本は、省エネ推進の技術革新などで生産性を高め、それを機に、製造業などを中心に国際競争力強化、産業構造の転換を進め、逆風から新たな成長軌道に乗せる「好機」にした。
ガソリン補助金や原油放出は当面、当座の対応としては必要としても、ホルムズ海峡危機は、日本経済が中長期で変わっていく「出口」戦略を示しているといっていい。新たな成長軌道に乗る機会と考えるべきだ。







