ホルムズ海峡危機で東南アジアに広がる“在宅勤務や節電”、石油製品「供給不足顕在化」は日本も対岸の火事ではない中東のエネルギー危機や円安により燃料価格が過去最高値を更新したことを受け、3月中旬に政府が補助金を導入したにもかかわらず、日本のガソリン価格は依然として高止まりしている Photo:NurPhoto/gettyimages

備蓄少なく燃料や原料の調達難
「不可抗力条項」宣言、供給停止の企業相次ぐ

 東南アジアでは、中東情勢の悪化による経済への影響がいち早く顕在化してきた。

 ホルムズ海峡封鎖による原油価格などの高騰と通貨安に加え、原油などの備蓄が少なく、燃料や原材料の調達難から、企業活動にも支障が生じている。

 石油化学業を中心に、不可抗力条項(フォースマジュール条項、非常事態を理由とする販売先への供給義務の免除)を宣言する企業が相次ぎ、LPG、エチレン、プロピレン、ポリエチレンといった幅広い基礎化学品の供給に支障が生じている。航空業では、燃料不足による減便といった動きが広がっている。

 各国政府は、家計や企業の負担軽減策や、イランからホルムズ海峡通行の許可取得や、制裁が解除されたロシア産原油の購入検討などの供給回復策のほか、在宅勤務の導入や政府機関の週4日勤務、企業や家計への節電・節油要請など、需要抑制策に幅広く取り組んでいる。

 一方で、不要不急の需要を維持することにもなる燃料油補助金などは縮小し、電気自動車(EV)や太陽光発電設備導入への支援を手厚くするなど、化石燃料などからの需要のシフトを狙った政策が意識されている。

 原油備蓄があることなどから、ガソリンの補助金や供給先の多様化が対策のメインになっている日本だが、エネルギーの中東依存度は東南アジア諸国よりも高い。

 米国とイランの和平協議はなお再開のめどが立っておらず、ホルムズ海峡の開放までには、かなりの時間がかかる可能性が強まる状況だ。

「需要抑制」策の準備や需要シフトを念頭に置いた対応を検討する必要がある。