日本株の調整局面は、期待通り6月14日のメジャーSQ(特別指数精算日。先物とオプション取引の精算日)をもって終了したようだ。日経平均株価は5月22日の1万5627円から6月13日の1万2445円まで、20.4%の急落を記録。しかし、メジャーSQを境に切り返し、7月12日には1万4500円台を回復した。

 外国人投資家の売買動向を見ると、調整期間の売り越しは先物主導だったのに対し、回復期間の買い越しは現物主導となった。足元では2週続けて、4000億円超の現物株を買い越している。この変化は好感できる。

 調整「前」の外国人買いがヘッジファンドなど短期筋によるインデックス投資中心だったのに対し、調整「後」の外国人買いが年金など長期筋による個別株投資中心に移ろうとしているならば、息の長い株価上昇が実現するだろう。

 7月下旬以降は、二つの材料が日本株の上昇を促すとみている。一つは、7月21日投開票の参議院議員選挙。今回の参院選では、自公連立与党の勝利により「ねじれ国会」が解消される可能性が高い(本稿執筆時点は投票日前)。

 ねじれ解消は日本株にとってポジティブだろう。ねじれ解消は1990年以降5回あったが、多くの場合、日本株は上昇基調を強めた。国政選挙は今後3年間予定されておらず、安倍晋三首相の長期政権期待も好材料といえよう。

 もう一つの株高材料と期待されるのは、4~6月期決算発表。業績予想の為替前提は、多くの企業で1ドル90~95円。一方、足元の為替相場は100円近辺で推移している上、今後も日米金利差拡大を背景に円安が進むとみられる。輸出関連の製造業を中心に好業績が期待されよう。