
経営トップの不正やハラスメント、法令違反、検査データ改ざん――。一度不祥事が表面化すれば、企業を監督する立場にある社外取締役の責任と力量が厳しく問われる。それでも高額報酬を受け取る彼らは、果たして役目を果たしているのか。特集『社外取バブル2025最新版「10850人」の全序列』の#11では、機関投資家によって不祥事認定された上場企業を集計。トヨタ自動車や三菱UFJフィナンシャル・グループ、富士通など40社の社外取195人について、実名と報酬、兼務先数をランキング形式で明らかにする。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)
機関投資家が「不祥事認定」した40社
当該企業に在籍する社外取195人、その報酬総額は?
元タレント・中居正広氏を巡る騒動で揺れるフジ・メディア・ホールディングス、貸金庫管理の不備が批判を浴びた三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)、紅麹サプリ問題で情報開示の遅れを露呈した小林製薬――。企業で不正やハラスメント、法令違反が発覚するたびに、コーポレートガバナンス(企業統治)体制、とりわけ社外取締役の監督機能が厳しく問われてきた。
近年、株主総会の取締役選任議案で機関投資家に「不祥事企業」とみなされると、経営陣への賛成票が大幅に減るケースが目に見えて増えている。社会的インパクトが大きい事案では、機関投資家にちゅうちょなく「不合格」の烙印を押されるようになっている。
そこでダイヤモンド編集部は、主要機関投資家10社が過去の株主総会で「不祥事認定」を行った上場企業を対象に、その認定件数を集計。今回取り上げるのは、その中から抽出した上位40社に在籍する社外取締役195人だ。推計報酬額の合計を基準に順位付けし、併せて各社の不祥事概要も示した。
ガバナンスの要である彼ら彼女らが、本当に高額報酬に見合う働きをしているのか。次ページで、その実名・報酬・兼務社数をチェックしてほしい。