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九州旅客鉄道(JR九州)の2026年3月期決算は、増収増益となった。その背景にあるのが、29年ぶりに実施した鉄道運賃改定だ。物価高や人件費上昇が続く中、同社はさらなる値上げに踏み切るのか。連載『エアライン・鉄道の進路』の本稿では、運賃改定の狙い、そして博多駅前の大規模再開発「博多駅空中都市プロジェクト(空中都市PJ)」の中止の真相について、JR九州の古宮洋二社長に話を聞いた。(聞き手/ダイヤモンド編集部 田中唯翔)
JR九州、29年ぶり運賃改定で増益
さらなる値上げはあるのか?
――2026年3月期決算は、売上高5003億円(前期は4543億円)、営業利益740億円(同589億円)と、増収増益でした。25年4月に29年ぶりの鉄道運賃の改定に踏み切ったことが大きいと思いますが、昨年度の業績をどのように評価していますか。
当社は25年4月1日に運賃改定を実施し、計画通り約160億円の増収効果がありました。人流が活発化していることもあり、鉄道事業だけでなく、駅ビルなどの関連事業も収入が伸びています。
また、分譲マンションの販売事業も非常に好調です。建設費の高騰に伴い販売価格も上昇していますが、それでも福岡県や熊本県では好調な売れ行きを維持しています。その結果、同事業の営業利益は前期比29%増の83億円となりました。
――29年ぶりに鉄道運賃を改定した背景を改めて教えてください。社内では反対や慎重な意見はなかったのでしょうか。
やはり世の中では物価が著しく上昇しており、鉄道事業を運営する上でのコストも膨らんでいます。経営者としては、会社の業績をしっかりと上げつつ、これまで据え置かれてきた社員の待遇を改善していく必要があります。
「今、運賃を上げないと先々が立ち行かなくなる」という時期に差しかかったため、今回、29年ぶりとなる運賃改定に踏み切りました。
――運賃を値上げしたばかりですが、足元での物価上昇は続いています。現在の運賃も、すぐに適正水準から外れてしまうのではないでしょうか。今後、さらなる運賃の値上げを検討する可能性はありますか。
鉄道運賃の改定によってコストの価格転嫁を進めたJR九州だが、足元では依然として物価上昇が続いている。さらにインフレの波は不動産事業も直撃し、目玉事業だった博多駅の再開発は建設費が倍増したことで中止を余儀なくされた。次ページでは、今後の運賃改定の可能性や、不動産事業における成長戦略について、古宮社長に詳しく語ってもらった。







