Photo by Yuito Tanaka
鉄道事業の収益だけに頼らない「非鉄道事業」の拡大を掲げるJR東日本。その象徴ともいえるのが、総工費6000億円に上る「高輪ゲートウェイシティ」だ。計画を推進したJR東子会社のルミネの表輝幸社長は、人口減少による内需縮小への危機感から、世界中から人を呼び込む街づくりを目指したと語る。連載『エアライン・鉄道の進路』の本稿では、表社長に高輪開発の手応えと、ルミネの成長戦略を聞いた。(聞き手/ダイヤモンド編集部 田中唯翔)
ゼロから街をつくったJR東
高輪GWのキーマンを直撃
――表社長は、2023年6月にルミネの代表に就任するまで、JR東日本で品川エリアの再開発プロジェクトを推進してきました。グループの肝いりである大型開発「高輪ゲートウェイシティ」について、現時点での手応えをどのように見ていますか。
ルミネの社長になる直前は、JR東のマーケティング本部で副本部長兼常務執行役員を務め、高輪ゲートウェイシティや品川周辺の再開発プロジェクトに携わっていました。
プランを策定する中で強く感じたのは、「国内のお客さまだけをターゲットにしていては、人口減少に伴いマーケットが長期的に縮小していく」という強い危機感でした。これまで内需を中心にして成長してきたJR東が持続的に成長するためには、高輪を世界中から人々が集まる街にする必要があると考えました。
街が活性化すれば鉄道の利用者も増え、グループ全体の成長につながる。だからこそ、コンセプトを「世界に開かれたゲートウェイ」としたのです。
最終的に、高輪ゲートウェイシティの総工費はJR東として過去最大規模の6000億円に上りましたが、コスト管理を徹底すれば、十分にプロジェクトとして成立すると見込み、取締役会で承認を得ました。
ただ、開発前の高輪は更地で、そもそもマーケットが存在しない場所でした。駅も20年に開業したばかりです。そのため、従来のエリアとは異なり、テナント誘致には独特の難しさがありました。
――ゼロから街をつくっていく過程で、特に苦労した点はどこですか。
高輪ゲートウェイの開発は、非鉄道事業の拡大を掲げるJR東日本にとって、社運を賭けた一大プロジェクトだ。次ページでは、その計画を主導してきたルミネの表社長に、街開きから1年が経過した現在の手応え、現在は店舗のない渋谷へ進出する可能性など、ルミネの成長戦略を聞いた。







