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AIや半導体関連がけん引するモメンタム相場が一服した今、注目すべきなのは将来の実力に対して株価が割安に放置されている銘柄群だろう。特集『業績、株価、賃金、就職… 5年後の業界地図』の#5では、アナリストの業績予想に複数のスクリーニング条件も追加して、「5期先の割安株100銘柄」を選抜。増益基調の割安株を中長期で保有して、「実力値」に株価が修正されるのを待つ割安株投資は、短期的な成績を求められない個人投資家向きの投資法だ。6月以降の調整により、割安度がさらに増している銘柄も少なくない。割安株であれば相場が崩れたときにも下値リスクは小さいことが多いので、投資初心者も注目してほしい。(ダイヤモンド編集部 篭島裕亮)
割高な株の値動きに一喜一憂するのではなく
「株価の飛躍が狙える割安株」を長期保有する
年初から大きく上昇した日経平均株価だが、6月25日に史上最高値となる7万2366円を付けて以降、株価の調整が続いている。相場をけん引したキオクシアホールディングス(HD)が高値から最大65%下落するなど、特にAIや半導体関連の値動きが激しくなっている。
株価のボラティリティ(価格変動の度合い)が大きい銘柄は、上手に取引できればもうけが大きいが、失敗すると短期間で大きな損を出すことがある。特に初心者がモメンタム(相場の勢い)で銘柄を選ぶと、結果として高値つかみになりやすい。端的にいえば、初心者には難しい銘柄群といえる。
そこで注目したいのが、利益や純資産などと比較して株価が割安な銘柄を狙う割安株(バリュー株)投資だ。すでに株価が割安な水準なので、極端な業績悪化がなければ下値リスクは小さく、値動きが激しい相場でも相対的に安心感がある。
また、割安株投資の場合、果実を得るまでに時間が必要なことも多いが、安値で買っているだけに大きなリターンも期待できる。地味な投資法ではあるが、初心者にも向いている投資法といえるだろう。実際、近年では、メガバンクや建設セクターの「割安度」が注目され、株価が大きく飛躍した。
では、株価の割安度はどう判定すればいいのか。
割安度を測る代表的な株価指標には、PER(株価収益率)とPBR(株価純資産倍率)の二つがある。株価を利益と比較したのがPERで、株価をEPS(1株当たり純利益)で割って算出する。
一方、株価を保有資産と比較したのがPBRで、株価を1株当たりの純資産で割って算出する。共に単位は「倍」で、数字が小さいほど株価が割安だと判断される。
今回は5期先のコンセンサス予想(アナリストの業績予想の平均値)がある約600社を対象に、「5期先利益に対して割安な株」を選んだ。スクリーニング条件として、5期先の当期利益が今期の当期利益よりも減少する企業は除いている。
利益が減る企業の場合、今期予想のPERが低くても、今の株価が必ずしも割安とはいえないからだ。逆に利益が伸びる割安株の場合、利益成長が市場から評価されると、PER水準の切り上がりとEPSの伸びの両面による株価成長が狙えることもある。
ランキングは、株価を5期先のEPSで割って算出した予想PERが低い順に並べた。参考数値として5期先までの当期利益の伸び率と今期予想PER、PBRも付けた。いわば、業績が伸びているにもかかわらず、株価が割安な企業リストである。
値動きの激しい相場に一喜一憂する必要がないので、NISA(少額投資非課税制度)で長期保有をしながら、株価が大きく飛躍するのを待つという投資にも向いている。ランキングに登場する銘柄は「利益の増加」を条件にしているので、攻めにも守りにも強い銘柄候補ともいえる。
次ページでは5期先の利益に対して割安な株100銘柄を紹介。51位までの企業の5期先予想PERは7倍未満となった。株価の割安感は極めて強く、市場予想通りの展開となれば株価の見直し余地は大きいはずだ。気になる銘柄があったら、決算説明資料などでチェックしてみよう。
リストには日本を代表する鉄道会社や大手ゼネコンもランクイン。隠れた半導体関連として注目を浴びる企業や、旬の業態に属しながら5年後予想と比較すると割安だと判断される銘柄も登場するので、ぜひチェックしてほしい。







