AIの時代だからこそ、「ありがとう」は自分の言葉でしっかり伝えたい

元NHKキャスターとして「おはよう日本」「首都圏ネットワーク」などに出演し、現在はフリーアナウンサーとして多方面で活躍する牛窪万里子さん(株式会社メリディアンプロモーション代表取締役)。牛窪さんは、『なぜか好かれる人の「言葉」と「表現」の選び方』など、多くのビジネス書も執筆するなど、言葉と表現によるコミュニケーションのプロフェッショナルだ。そんな牛窪さんによる連載「いま必要な“組織を活性化する”コミュニケーション」の第8回をお届けする。(ダイヤモンド社 人材開発編集部)

*連載第1回 報道現場から学ぶ、チーム活性化のための“3つのコミュニケーションスキル”
*連載第2回 人と人の信頼関係をつくる“フィードバック”――その6つのポイント
*連載第3回 世代間コミュニケーションのギャップをなくすために、私たちはどうすればよいか
*連載第4回 牛窪流コミュニケーション術――質疑応答の時間が深くなる“質問の方法と応え方” 
*連載第5回 「発声」「音声表現」「相手に合わせた声の使い分け」――“伝わる話し方”の3つのコツ
*連載第6回 新入社員もベテランも知っておきたい“相手を快くする「お願いの言葉」”とは?
*連載第7回 相手の信頼を得るための「断りの言葉」「断りの姿勢」はどのようなものか?

 私が書いた『なぜか好かれる人の「言葉」と「表現」の選び方』という本の一部が、企業の入社内定者&新卒入社者向けのメディア『フレッシャーズ・コース』に転載されています。今回の連載でも、その内容のひとつである “相手の心に残る「感謝の言葉」”について考えてみたいと思います。

誰かに代わってもらうことのできない言葉「ありがとう」

「ありがとう」

 たった五文字の短い言葉ですが、この一言で救われた経験を持つ人は少なくないでしょう。

 私はこれまで、アナウンサーとして数多くの方にインタビューを行い、現在は企業や大学でコミュニケーションや自己表現について講演をしています。その中で強く感じるのは、感謝の言葉ほど、その人自身が表れるものはないということです。

 最近は、AIが文章を作ってくれる時代になりました。

 メールの返信も、お礼状も、スピーチも、数秒で整った文章が完成します。もちろん、AIは便利です。私自身も構成を考える際に活用することがあります。

 しかし、「ありがとう」だけは、誰かに代わってもらうことのできない言葉ではないでしょうか。感謝とは情報ではなく、感情だからです。

 どれほど美しい文章でも、自分の心が入っていなければ、相手には不思議と伝わりません。一方で、たどたどしい言葉でも、自分の体験や思いが込められていれば、相手の心に届きます。

牛窪万里子さんは、内定者フォローツール「フレッシャーズ・コース2027」の『なぜか好かれる人の「言葉」と「表現」の選び方』コーナーも執筆している。
牛窪万里子さんは、内定者フォローツール「フレッシャーズ・コース2027」の『なぜか好かれる人の「言葉」と「表現」の選び方』コーナーも執筆している。