「養鶏業にしても『Tao's Native Chicken』にしても、利益が出ていると言えば出ているものの、どれも事業規模が小さくて、大きく成長させるのはほぼ不可能だと感じました。自分の僅かばかりの給料も上げられず、頭打ちの苦しい時期が続いていました」
こうした苦境が、次の決断に繋がった。
「不用品排出大国・日本」をヒントに
中古品販売事業を起業
現在、養鶏業は手仕舞いし、「Tao's Native Chicken」も1店舗を残すのみ。その運営もスタッフに託し、峠さんはマニラに移住して、今年6月から中古品販売事業に取り組んでいる。
「JAPAN FINDS WHOLESALE」という屋号を掲げたこの新事業。具体的には、日本で不用品となった家具や玩具、雑貨などをコンテナ単位で輸入して店舗で販売する、リサイクルショップの運営がベースである。
「フィリピンにいるからこそ実感したことですが、日本というのはめちゃくちゃ物を捨てる国なんですよ。仮にそれを日本国内で再流通させようとしても、大幅に価値が下がります。しかし、それらをこっちに持ってくれば、より適正な価格で売ることができるんです」
急速に高齢化が進む日本では、遺品整理などで大量の不用品が排出される反面、マーケットは縮小し続けている。つまり、安く買って高く売るためには、マーケットを国外に移すしかないわけだ。これが、期待以上の成功に繋がった。
まだスタートを切ったばかりではあるが、早くも業績は好調で、峠さんの収入も一気に3倍になったという。貧困層をサポートするという最初の目的からは離れてしまったが、この中古品販売事業を拡大すれば、新たな雇用を産むことができる。そして、事業拡大の目処もついているという。
「JAPAN FINDS WHOLESALE」の屋号で峠さんが起こした、中古品販売事業
その背景には、養鶏業で得た経験が生きている。
「養鶏も中古品販売も、マーケティングのやり方は基本的に同じです。出店の際の立地や、採算性の考え方など、テクニカルなところを経験済みなのは大きいですね。それに、事業というのは簡単に立ち行かないものだということも骨身に染みているので、油断も慢心もなく、毎日コツコツと業務改善に励んでいます」







