フィリピンで出会った伴侶と一昨年に結婚して、公私共に順風満帆の峠さんは「養鶏業で朝も夜もなく泥まみれになっていた頃に比べると、だいぶ人間らしい生活を取り戻しました」と笑う。
人生を変えた学生時代の出会いが
海外での起業につながる
振り返ってみれば、峠さんがこうして海外で暮らすようになったのは、大学時代に得た偶然の出会いに端を発しているという。
「思えば、海外に興味を持ち始めたきっかけは、大学2年生の時にたまたま参加した、インドネシアのカルチャーナイトというイベントでした。インドネシアの人たちが自国の文化を日本人に向けて紹介するもので、参加していた日本人を見て、英語が話せるようになりたいと強く思うようになったんです」
そして縁あってJICAの支援員としてネグロス島に降り立ち、貧農支援という目的から現地での起業を決意。まったくのゼロベースから立ち上げた養鶏業は全うすることはできなかったが、そこで得た学びを生かし、いま新たに中古品販売事業で勝負をかける峠さん。
幸いにして出足は順調だが、もちろん先のことはわからない。セブ島の景気は良くないし、戦争の影響も受けている。それでも峠さんの表情からは、みなぎる充実感とエネルギーが感じられる。
「この事業を今度こそ大きく育てるつもりで頑張っていますが、まだまだ課題は多いです。まずは、コンテナの取引業者をもっと増やすこと。いまは月にコンテナ3台分の取扱量ですが、これを8台に増やすのが目標です。そのためには、日本での営業活動ももっと頑張らなければいけないですね」
海外の文化を知ることの豊かさ。英語を覚えることで広がる可能性。日常の中の些細な出会いが、その後の人生をダイナミックにアレンジし得ることを、峠さんの生き方が証明してくれている。
写真提供/峠慶太郎さん







