Photo by Koyo Yamamoto
7月に発売された日産自動車の新型「エルグランド」が配車アプリ大手、Uberといったハイヤーサービスなどで相次いで採用されている。「新型車が出たから採用」という単純な理由だけではなく、そこには「裏事情」がある。ハイヤーやVIP送迎などの法人需要、富裕層インバウンド向けの送迎サービスは「アルファード」などを展開するトヨタ自動車の独壇場だったが、潮目が変わりそうだ。長期連載『自動車 “最強産業”の死闘』の本稿では、新型エルグランドがハイヤー事業者で相次いで採用される裏事情や、トヨタの牙城だった高級ミニバンの法人需要の市場に、日産が攻め入るための戦略と課題を明らかにする。(ダイヤモンド編集部 山本興陽)
Uberのハイヤー事業で日産の新型「エルグランド」が採用
ハイヤー大手の日本交通や国際ハイヤーも導入を決めた理由とは
日産自動車は7月に高級ミニバン「エルグランド」のフルモデルチェンジを16年ぶりに行い、新型車を発売した。上質な乗り心地や静粛性を売りに、発売以降、受注台数は8000台を超え、好調な滑り出しとなっている。
注文しているのは一般の消費者だけではない。配車アプリ大手「Uber(ウーバー)」を展開する米ウーバー・テクノロジーズは、8月24日、日本国内の「Uber プレミアム」と呼ばれるハイヤーサービスで新型エルグランドを採用すると発表。同サービスの運行事業者となる日の丸リムジンとIBIグループの2社が、合計30台を導入した。
ハイヤーやVIPの送迎といった法人需要や、富裕層インバウンド向けの送迎サービスは、これまでトヨタ自動車のミニバン「アルファード」や「ヴェルファイア」の独壇場となっていた。
しかし、新型エルグランドの登場はトヨタの独壇場を「終焉」させることになるかもしれない。
すでに、Uber以外のハイヤー事業者でもエルグランドの採用が相次いでいる。例えば、ハイヤー最大手の日本交通や国際ハイヤーでも、新型エルグランドを数台導入済みだという。
次ページでは、Uber、日産に加え、ハイヤー業者幹部への取材を通じて、「エルグランドの採用が相次ぐ裏事情」を明らかにする。トヨタの牙城に、日産が攻め入るための戦略と、その課題とは。







