孤立を防ぐ鍵は、人がつながる「場」づくり

 人事施策では、エンゲージメントスコアや離職率、生産性など、成果を数値で示すことが求められる。しかし、人と人との信頼や安心感、組織の一体感といった価値は、数字だけでは測ることができない。

石田 数字で評価できるものだけを追いかけると、本当に大切なものを見落としてしまうことがあります。人間関係は、その代表例です。すぐに成果が見えるわけではありませんが、長い目で見れば、組織を支える土台になります。

 だからこそ、人事の方には、人が自然につながる「場」を意識的に設計してほしいと思います。研修でも、プロジェクトでも、日々の職場づくりでも構いません。人と人が顔を合わせ、共通の経験を積み重ねられる機会をつくることが、孤立を防ぐ第一歩になるのです。

 従業員を孤立させない組織づくりとは、人がつながり続けられる仕組みを考えること。そのためにも、企業として「場」をつくり、仕掛けていく必要がある。

石田 人がつながり続けられる余白を組織として用意できるかどうか。いま企業に問われているのは、そうした姿勢なのだと思います。職場の人間関係は、効率だけでは育ちません。そして、失われて初めて、その大切さに気づくものです。だからこそ、「孤立させない仕組み」を組織の責任として考える時期に来ているのではないでしょうか。