しかし、人手不足と採用難が続くなかでは、「辞めたらまた採ればいい」という発想そのものが成り立ちにくくなっている。仮に採用できたとしても、採用活動には費用がかかり、新入社員が仕事を覚えて戦力になるまでには時間も必要だ。退職と採用を繰り返せば、残った社員の負担が増し、さらなる離職につながる悪循環にもなりかねない。
ギャップは働き方にも表れている。社員から在宅勤務やフレックスタイム制などの柔軟な働き方を求める声が上がっているにもかかわらず、経営層の理解が得られないという企業もある。
さらに、コロナ禍で導入した在宅勤務制度を廃止したところ、若手社員が一気に辞めたという企業もあった。社内では制度を復活させるべきだとの声があるものの、社長が認めず、対応できない状態だという。
一方、「合う、合わないがあるのは仕方ない」と考え、そもそも離職対策に積極的ではない経営者もいる。
こうした声から浮かび上がるのは、現場では離職の原因が見えていても、経営層が従来の価値観を変えなければ、改善につながらないという現実である。
若手を辞めさせないために過剰に配慮すれば、「仕事を任せてもらえない」「成長できない」という不満を生みかねない。一方で、社員の希望を聞かず、従来の働き方やマネジメントを押し通しても離職につながる。
一見すると正反対の問題だが、共通しているのは、会社側が若手社員と十分に向き合えていないことだ。
若手の定着に必要なのは、「厳しくするか、優しくするか」という二者択一ではない。仕事を任せ、必要なフィードバックを行い、本人が成長を実感できる環境をつくる。同時に、働き方やキャリアについて社員の声を聞き、必要であれば会社の制度やマネジメントそのものを変えていくことが求められる。
【「ホワイトハラスメント」アンケート調査の概要】
■調査期間:2026年7月1日~2026年8月2日
■有効回答数:1385名
【「従業員の早期離職対策」アンケート調査の概要】
■調査期間:2025年3月11日~2025年4月7日
■有効回答数:303名
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