図2-3は、河野龍太郎(2025『日本経済の死角』ちくま新書)が、財務省「法人企業統計」にもとづいて、1998年を起点とした場合の売上高、人件費、設備投資、株主配当の伸びを、全産業・全規模企業についてわかりやすくまとめているものである。
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これによると、2023年に至るまで、売上高、人件費、設備投資はまったく横ばいであり、これに対して経常利益は5倍、うち配当は8倍超となっている。
経常利益は3倍、配当は9倍
それでも賃金は横ばいのまま
この間、世界計のGDPは3倍を超える増加なので、売上高、人件費、そして設備投資の停滞は驚くべきものといえ、対して利益、配当は激増である。
表2-2では、同じ法人企業統計から1990、2000、2023年度の実額を掲出したので、規模感をみられたい。
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売上高は1500兆円、人件費は200兆円水準でほぼ横ばい、対して2000年度から23年度の間に、経常利益が36兆円から107兆円へ3倍、配当は5兆円から43兆円へ9倍、現預金残高が142兆円から295兆円へ2倍にふえている。設備投資は50兆円前後で横ばいである。
河野龍太郎(2025『日本経済の死角』ちくま新書)はまた、同じ期間の日・米・独・仏の労働生産性と実質賃金(時間当たり)を比較している(注1)が、生産性は米50%、独・仏20%、日本は30%ほど上昇しているのに対し、実質賃金は米・独・仏が20%前後増加、日本のみがほぼ横ばいという結果を得ている。
(注1) 2022年度『経済財政白書』第2-1-5図は1991年を起点とする1人当たり賃金の国際比較をしているが、2020年で、名目賃金は米・英・独が2倍以上、仏が1.9倍上昇しているのに対し、日本は1.0倍、実質賃金では他の4カ国が30%以上増加に対し、日本は3%増加とまったくの横ばいが際立つ。1人当たり(平均)賃金を比較する場合には、短時間勤務者がふえると人数で割る平均賃金は低下するので、時間当たりでみる方がよいだろう。







