先に、キックスのモデル概要に触れておこう。全長4.3m級のBセグメントクロスオーバー。第1世代はもともと新興国向けに作られたもので、北米、日本などの先進国市場では改修を施してもなお商品力不足だった。そこで日産は戦略を修正し、第2世代は高性能プラットフォームを用いて先進国スペックのモデルに仕立ててきた。
車体寸法は全長4365×全幅1800×全高1610~1615mm。ホンダ「ヴェゼル」に近似、トヨタ自動車「ヤリスクロス」と「カローラクロス」の中間というサイズ感である。
2024年の北米販売時点では純ガソリン車のみだったが、日本向けはハイブリッド専用モデルだ。そのパワートレインは「e-POWER」の新世代ユニットに、発電専用エンジンとして開発された1.4リットル直列3気筒をセットアップしたもの。今後は欧州、北米にも展開される見通しだ。
今回のロードテスト車は、グラストップを標準装備するトップグレードの「G」のFWD。ヘッドレストスピーカー付きBOSEサラウンドシステムなどのオプションが追加されていた。ドライブルートは、横浜を起点に東京東部~伊豆半島周遊で、総走行距離は527.3km。
では、インプレッションに戻ろう。クルマという商品はどのモデルも長所と短所があるものだが、キックスは走行性能、乗り心地、室内の空間設計、経済性、デザインクオリティなどの評価項目全般にわたって珍しいくらい穴が少ないのが特徴だ。
操縦性は、Bセグメントクロスオーバーの中でも際立って良好だった。西伊豆スカイラインや南伊豆のタフなワインディングロードでも、特別な運転技量なしに狭い車線をきっちりトレースしながらストレスフリーで走り抜けることができた。高速道路における直進性も良好だった。
南伊豆にて。バンピングだらけの路面をものともしない足まわりで、どこまでもドライブしたくなるキャラに仕立てられていた Photo by K.I.







