鋭いダメ出しをするのに
「仕事ができない人」の共通点

 2つ目の特徴は、1つ目と近いが、他人の提案には的確なダメ出しをするのに、自分からは一切代替案を出さないことだ。

「その企画、詰めが甘いですよね」
「ここの数字の根拠が弱いと思います」
「顧客視点が抜けていると感じます」

 こうしたダメ出し自体は、時に鋭く、的を射ていることも多い。だからこそ、周囲は「あの人は物事をよく見ているな」と一瞬感じてしまう。しかし、そこで「では、あなたならどうしますか?」と聞くと、途端に歯切れが悪くなる。

「いや、私も具体案があるわけではないんですが……」
「なんとなく違和感があるだけで、これ以上は……」
「そこは提案者が考えるべきことだと思います」

 こうして、評論家に徹して、自分は責任の圏外に立ち続けるのだ。このタイプが厄介なのは、ダメ出しの鋭さゆえに、「意見を言える人」と誤解されやすい点である。

 実際には、批判はできても建設は一切していない。前に進める案を出すには、頭を使い、責任を引き受ける覚悟が要る。お荷物人材は、その覚悟から徹底的に逃げている。

 会議において、批判だけをする人が1人いるだけで、提案者は萎縮する。他のメンバーも「言われたくないから」と発言を控えるようになる。結果、会議の場は「安全に発言できない場」になり、組織全体の議論の質が下がる。代替案なきダメ出しは、会議における最も強力な「毒」なのだ。