他人の仕事には厳しいのに…
自分の仕事は「詰めが甘い」

 3つ目の特徴は、他人の仕事にはあれだけ厳しいダメ出しをする人ほど、自分の仕事の詰めが驚くほど甘い、ということだ。これは、筆者がこれまで見てきた「職場のお荷物人材」に共通する、最も皮肉な特徴でもある。

 他人の企画書の細かい数字の根拠を突っついていた人が、自分が担当した企画書を出すと、そもそも構成が破綻していたり、数字の裏付けが完全に抜け落ちていたりする。

 他人の資料に「顧客視点が抜けている」とダメ出ししていた人が、自分の資料には顧客の一言も入っていない。他人の会議の進め方を「ゴールが不明瞭だ」と批判していた人が、自分がファシリテーターをする会議では、ゴールも時間管理もないまま延々と話し続ける。

 こうしたケースを、筆者は嫌というほど見てきた。

 なぜ、こんなことが起きるのか。理由は単純だ。他人の穴を指摘するのは簡単だが、自分の仕事の穴を潰すのは大変だからだ。

 彼らは、簡単な方、「他人の批判」に頭を使うことに慣れきってしまっており、大変な方「自分の仕事の質を上げること」にはエネルギーを使わない。そして、恐ろしいのは、本人はまったく自覚がないことだ。他人には厳しいので「自分は仕事ができる」「自分は客観的に物事が見えている」と思い込んでいるし、周囲がそのことを指摘しにくい雰囲気を作ってしまっている。

 だが、周りは全部見ている。

「あの人、他人には偉そうなことを言うのに、自分の仕事はいつも詰めが甘いよね」――こうした評価は、水面下で確実に広がっていく。そして、本人が気づかないうちに、「お荷物人材」というレッテルが完成していくのだ。

 ここまで、会議で即バレする「職場のお荷物人材」の3つの特徴――「できない理由しか言わない」「ダメ出しはするが代替案がない」「他人に厳しいのに自分は詰めが甘い」――を挙げてきた。

 ここまで読んで、ヒヤッとした読者もいるかもしれない。実は、この3つの特徴は、意識していないと、誰でも簡単に陥ってしまうものでもある。

 特にベテラン社員や管理職ほど、経験値の高さゆえに「できない理由」を語りやすく、「他人へのダメ出し」も上手くなりがちだからだ。だからこそ、自分がお荷物人材になっていないか、日々セルフチェックすることが重要になる。会議に出る前、あるいは会議の中で、次の3つを自分に問いかけてみてほしい。

・「無理です」と言う前に、「どうすればできるか」を1つでも考えたか
・他人の提案にダメ出しする時、代わりの案を1つでも出せているか
・他人に指摘したいことを、自分自身の仕事ではクリアできているか

 この3つを自問するだけで、会議での発言の質は劇的に変わるはずだ。会議は、単なる情報共有の場ではない。参加者一人ひとりの思考力や仕事への向き合い方が、否応なしに滲み出てしまう場である。だからこそ、「即バレ」する。

 もし、周囲の目にお荷物人材として映っているとしたら、それは能力の問題ではなく、会議での振る舞い方の問題であることが多い。振る舞いを変えれば、評価は必ず変わる。今日の会議から、少しだけ自分の発言を意識してみてはいかがだろうか。