タケの仲間は極端に長い開花周期をもちます。タケの開花に魅せられたペンシルヴェニア大学の生態学者、ダニエル・ハント・ジャンセンによると、世界中のタケを見渡しても、開花周期が15年より短いタケは非常に少ないそうです。ハチクはその中でも、トップレベルに長い開花周期をもつ植物です。
ハチクの開花は、おおよそ120年周期で起こると生物学者は考えています。その根拠となるのが、過去の開花記録です。
2026年現在、各地でハチクが開花していますが、その前の開花の記録は約120年前の1890年代後半から1910年代前半に現れます。さらに、それ以前の開花の記録を古文書などでさかのぼると、おおよそ120年周期でハチクの開花記録が定期的に現れることに気がつきます。
こうした状況証拠から、開花周期は120年と言って、ほぼ間違いないでしょう。
日本には、各地にたくさんのハチクの竹林があります。たとえひとつひとつのハチク竹林が120年おきに開花するとしても、それらの間で開花の年が1年ずつずれていれば、毎年、全国の120分の1のハチク竹林が、日本のどこかで開花することになります。毎年どこかで咲いているのならば、開花はあまり珍しく感じられないことでしょう。
ハチクは120年に一度
全国で一斉に花を咲かせる
しかし、この考えは間違っています。咲かない年には、日本中のハチクが申し合わせたように咲かず、咲くときには、日本中のハチクが一斉に咲くのです。つまりハチクは、竹林間で開花の強い同調性を見せるのです。
なお、ハチクの開花は、ピンポイントである年だけに限られるわけではありません。前述の通り、前回の開花記録を紐解くと、1890年代後半から記録が現れ始め、開花のピークが1903年から1908年にあり、その後も1910年代前半まで開花が続きました。つまり、ハチクの開花は10年程度続いた後、ぴたりと止まってしまったのです。







