「黄色いセンターライン」を「白に塗り直す」
警視庁がまさかの「帳尻合わせ」

 実際に、SNSにはブーイングが投稿されています。

「(自転車が)ゆっくり車道を頑なに走り、後続の車が渋滞してしまってる状況、一体なんなんだろう?」
「これが噂の自転車を先頭にした大渋滞というやつか」
「車道を自転車が走っていて、観光バスがそれを追い越せずに徐行運転していました。センターラインは黄色ではみ出し禁止でした」

 ただ、一連の課題について、警視庁も手をこまねいているわけではありません。

 警視庁はルールの矛盾を解消するために、「東京都内の黄色センターライン約1700キロを調査し、その半数程度を白線に塗り直す見込み」だと複数のメディアで報道されています。

 しかしながら、この対応はまた別のブーイングを生みそうです。それは「今までは何だったの?」というもの。

 黄色いセンターラインは、道幅が狭い場所や見通しの悪い場所など、右側にはみ出して「追い越し」をすると、対向車との事故のリスクが高い場所に設けられていたはずです。

オレンジのセンターライン、白に塗り直して大丈夫?→弁護士が重大リスクをズバリ「あくまで仮定の話ですが…」Photo:PIXTA

 そのため、警察が違反を厳しく取り締まり、「はみ出し走行」に該当した人に反則金や違反点数を課すこともありました。

 にもかかわらず、いきなりルールが変わって「はみ出しOK」になることに対して、次のような疑問や反感を抱く人もいるのではないでしょうか。

「通行区分を後から変えるのってアリなの?」
「逆に事故が増えるのでは?」
「本当は大して危険じゃない場所に、黄色い実線が引かれていたってこと?」

 そこで今回は、上記の疑問を後藤弁護士にぶつけ、専門家としての見解を聞いてみました。

 まずは「通行区分を後から変えること」の是非について聞くと、後藤弁護士は次のように話します。

「報道を見て『そんなに簡単にルールを変えていいの?』と感じた人も多いと思います。しかし、交通規制は不変のものではありません。社会環境の変化や技術の進化に応じて変わっていくものです」

「実際に、道路標示や交通規制の見直しは過去にも行われてきました。例えば、高速道路における最高速度規制の引き上げや、バイクの2人乗りの条件付き解禁、特定小型原動機付自転車(いわゆる電動キックボード)の導入に伴う標示・通行区分の見直しなどです。今回の見直しも、適切な対応だと私は考えています」