センターラインが白く塗り直された場合に
想定される「デメリット」

 しかし、今回の塗り直しについて、後藤弁護士は「懸念点もある」といいます。それは「白線の形式」です。

 一言で「白いセンターライン」といっても、道路に引かれる線には「白破線」と「白実線」の2種類があります。報道では、黄色いセンターラインを「はみ出し可能な白線」に塗り直す方針とされていますが、具体的にどの区間で、どのような道路標示に変更されるのかについては、現時点で詳細が明らかになっていません。

 改めて整理すると、センターラインの種類と意味は次の通りです。

・白破線:原則として、対向車線へのはみ出し・追い越しが認められている。片側の幅員が6メートル未満の道路に設置される。

オレンジのセンターライン、白に塗り直して大丈夫?→弁護士が重大リスクをズバリ「あくまで仮定の話ですが…」Photo:PIXTA

・白実線:原則として、センターラインの右側にはみ出して通行できない。道路工事や障害物の影響で左側部分を通行できない場合は「はみ出し」が可能。片側の幅員が6メートル以上の道路や、道交法第30条で定められた「追い越し禁止場所」に設置される。

オレンジのセンターライン、白に塗り直して大丈夫?→弁護士が重大リスクをズバリ「あくまで仮定の話ですが…」Photo:PIXTA

・黄実線:「追い越しのための右側部分へのはみ出し通行」が禁止。白実線と同じく、工事や停車中の障害物を避ける「回避」などは可能。片側の幅員が6メートル未満の道路に設置される。

オレンジのセンターライン、白に塗り直して大丈夫?→弁護士が重大リスクをズバリ「あくまで仮定の話ですが…」Photo:PIXTA

 今回の施策では、クルマによる自転車の柔軟な追い越しを可能にするため、上記のうち「白破線に塗り直される可能性がある」と後藤弁護士は分析します。ですが、実際に白破線が採用された場合はデメリットが伴うといいます。

「あくまで仮定の話ですが、センターラインが黄色から白破線に塗り直され、はみ出しや追い越しが認められると、クルマの自転車に対する『無理な追い越し』が誘発される恐れがあります。その結果、対向車線の安全確認が不十分だったことによる正面衝突事故が増加する懸念があります」

「また、ただでさえ幅員の狭い道路で、対向車線にはみ出して自転車を追い越したドライバーには、対向車との接触リスクを不安視して『早く元の車線に戻らないと』という焦る心理が働くはずです。『早く戻りたい』という意識が強くなるあまり、強引な追い越しをするだけでなく、その際のスピードが制限速度を超えるクルマが増加する可能性もあります」