厚生労働省は9月を「過重労働重点監督月間」とし、若者の「使い捨て」が疑われるいわゆる「ブラック企業」に対して調査を行うことを明らかにしている。これを受け、大阪労働局は8月29日、大阪府の約400社に対して9月に立ち入り調査を行うと発表した。
また、1日に全国の労働局で行われた無料の電話相談では1000件にも上る相談が寄せられたという。実際に「自分はブラック企業で働いている」と感じている人たちは、どのような現実からそう感じているのだろう。
「上司に殴られても会社は守ってくれない」
使い捨てられるブラック企業の若者たち
冒頭で触れた労働局の無料相談には、「店の営業時間は午後8時までなのに、従業員全員が午後6時半に帰宅したようにタイムカードを打刻させられ、サービス残業をしている」、「1ヵ月に120時間以上の残業をして、睡眠障害とうつ病になって仕事を辞めざるを得なくなった。労災の申請と損害賠償の請求はできるか」といった内容の相談が届いているという(NHKニュースより)。
また、リビジェン(港区)が社会人男女500人を対象に行った「ブラック企業に関する調査」(8月27日に実施/調査方法はインターネット)によれば、「あなたは自分自身が所属している会社のことをブラック企業だと思いますか?」という質問に対して全体の9.2%が「非常に思う」と答え、「やや思う」と答えた人も20.6%に上った。
さらに、ブラック企業だと思う理由について聞いたところ、「自社の製品を強制的に買わせる」「パワハラ」「6時出勤、23時退社(残業代はつかない)」「昨年の年間休日50日」「うつ病の社員が何人かでているから」「上司が同僚を電卓で殴って怪我をさせたにもかかわらずその上司を会社は守り、同僚は心を病んで退社」などのエピソードが寄せられたという。