また、ココロのケアは、従業員個人にとっても、身にふりかかるさまざまなリスク、たとえば、仕事が原因で精神疾患になったり、個人的な悩み・不安から仕事の能率が下がったりすることも防ぐことができるのです。

(3)従業員の働くことへの満足度がアップ

 悩みごとや心配ごとがあっても、社内にそれを受け入れる仕組みがあって、しっかりサポートしてくれるのだという保証があれば、社員は安心して仕事に専念することができます。

 「社内にカウンセリングの仕組みができたことで、会社は自分たちを見放していないんだ、人として扱ってくれるのだとわかりました」

 私は、カウンセリングをしたビジネスマンから、嬉しそうにそう言われたことがあります。

(4)企業イメージがよくなって、優秀な人材が集まる

 すでに書いたように、働く人のココロのケアは、社会でも大きな関心を呼んでいます。会社が、ケアのシステムを取り入れ、従業員のココロのトラブルを積極的に解決しようとすれば、従業員の心身は安定します。それは、「この会社は社員を大切にしているのだ」という姿勢を社会に示すことにもなり、企業イメージはアップすることでしょう。そうなれば、お客様だけでなく、社員として優秀な人材が集まってきます。

(5)医療費を削減できる

 仕事のストレスが原因で起こる心身の病気にはさまざまなものがあります。ストレスを抱えた社員を放っておいて病気がひどくなれば、たとえ治療しても回復するまでに時間がかかるのはもちろん、個人が負担する医療費も増えてしまいますよね。

 ココロをケアする仕組みをつくり、日ごろからココロの健康を維持する努力をすれば、病気を予防でき、医療費も減らすことができます。

(6)福利厚生にもなる

 ここ数年、日本でも、老親介護による心身の疲労、夫婦間暴力や思春期の子どもの教育など、家庭内の問題が多くクローズアップされています。そうした家庭の問題は、仕事に悪影響を及ぼすことが多々あります。そのため、私たちカウンセラーは、仕事以外の悩みの相談にも応えます。さらに、そうした問題で悩む家族に対しても、ココロのケアを行なうようにすれば、福利厚生サービスの一つになります。

(7)企業経営にも役立つ

 社内の部署ごとに、社員がどんなストレスを抱えているか、あるいは、上司と部下のコミュニケーションがうまくいっているかなどを調べて分析すれば、人員配置や組織編成などを効率的に行なうことができます。ただし、それを行なう際には専門業者が介入し、個人のプライバシーに十分に配慮してデータは部の傾向としてまとめあげ、調査の結果によって問題の多い部門の管理職や課員の昇進の妨げにならないようにします。