「将来やりたいことは?」という質問に「サッカー選手」「ケーキ屋さん」「総理大臣」なんて書いていたあの日から、15年という年月が経ち、いつの間にか答えが見えなくなってきた若者たちに向け、今日は書いてみたいと思います。
小学校、中学校、高校の生活の中で、部活や受検など、その時々のターニングポイントで大なり小なり意思決定を繰り返した結果、なれる職業の幅は狭まっていきます。
20歳になってサッカーをしたことがないのに、今からW杯に招集される可能性は極めて低いですし、完全に文系なのに今から量子力学を勉強してノーベル賞を狙いに行くのも難しい。
年月を重ねるほどに、選択肢は狭まるのです。そして、これからの就職活動で、より選択肢は絞られていきます。
そう考えるとこの大学生という時期が、将来のキャリアを描くにどれほど重要なのか、分かると思います。
一方、大人はやりたいことがみんなあるかと言えば、そんなことはありません。
その辺を歩いている人に「あなたが将来やりたいことは何ですか?」と聞いて、明確に答えられる人は少ないでしょう。
にもかかわらず、大人の面接官は時に意地悪く「10年後何をやりたいか?」「うちの会社で何やりたいの?」と聞いてきます。
就活生は「やりたいこと」というテーマに対し、どのように対峙していけばよいのでしょうか。
「やりたいことがない」なんて当たり前?
社会に触れる機会がほとんどないままに、就職活動を突然始めたとしても、会社で働くイメージがわかないというのは仕方ないことかもしれません。
就活を始めるまでに、まともに話したことのある社会人は、親と教師だけ、という方も多いと思います。
結局仕事や会社のイメージがつかないので、昔からテレビで商品を見たことのあるBtoCの企業に人気が集中するのもしかたないことでしょう。
触れたことのないことを、「本気でやりたい」とはなかなか思えません。ほとんどの場合は経験したところから、興味を持ち、のめり込み、その道のプロフェッショナルを目指そうと思うようになるはずです。