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「モノのインターネット」が
じわじわ生活に浸透している

瀧口範子 [ジャーナリスト]
【第272回】 2013年11月27日
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 同じフィリップスが、先だって開かれたセールスフォースの年次イベント「ドリームフォース」で明らかにしたのは、ハードウェアにつけられた顧客サービスのボタンである。

 たとえば、病院で用いられている超音波測定モニターが故障したとしよう。従来ならば、電話で顧客サービスに連絡するか、メールや同社のホームページから連絡を取っただろう。

 だが、機器がネット接続されているならば、機器の上についたボタンを押すだけでいい。それが自動的に顧客サービスページをスクリーンに呼び出し、そこに必要事項を書き込むだけで連絡は終了。あとは修理のスタッフがやってくるのを待つだけだ。

普段の歯磨きのクセを
歯科医がデータで把握する

 同社は、もうひとつびっくりするような構想を推進中らしい。それはネット接続された歯ブラシである。接続だけではない。その歯ブラシにはGPS機能やセンサーが付いている。つまり、歯磨きをする際にユーザーがどのように歯ブラシを用いたのが、これで詳細にわたって記録されるようになるのだ。

 いずれは、そのデータはかかりつけの歯医者のところにも送られ、患者がどのように歯磨きしているのかをモニターすることもできるようになるだろう。「この奥歯のところですが、もう少し歯ブラシを上に傾けて磨いてください」などと診察の際に言われ、びっくりすることになるだろう。歯ブラシではなくて、消費者向け口内カメラのようなものが開発されると、居ながらにして歯医者に虫歯を診察してもらえるということも可能かもしれない。

 まだ想像しにくいが、ネットは少しずつ身の回りのモノにも浸透していく。われわれの生活は、それによってガラリと変わることになるだろう。

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瀧口範子
[ジャーナリスト]

シリコンバレー在住。著書に『行動主義: レム・コールハース ドキュメント』『にほんの建築家: 伊東豊雄観察記』(共にTOTO出版)。7月に『なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?世界一IQが高い町の「壁なし」思考習慣』(プレジデント)を刊行。

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