個人消費と公共投資の
マイナス影響をどう見るか

 では14年度はどうか。ご存じのようにGDPを支出サイドから見ると、大きく分けて個人消費(民間最終消費支出)、民間住宅投資、民間設備投資、政府支出(消費と公共投資)、純輸出(輸出-輸入)から成り立っている。

 14年度の成長にとってマイナス要因になると予想されるのが、個人消費、民間住宅投資と公共投資。プラス要因が民間設備投資と純輸出だ。なかでもポイントとなるのは個人消費と公共投資である。4月から消費税率が5%から8%に引き上げられる。この消費税増税によって個人消費がどの程度落ち込むと見るか。公共投資について政府は13年12月に5.5兆円規模の経済対策を決めたが、前回の10兆円と比べれば規模は小さくなる。3本の矢のうち、成長戦略は短期的な効果は見込めない。

 最も成長率の予想が低いニッセイ基礎研の場合は、消費税増税による個人消費の減少をある程度大きく見ているのに加え、他の機関に比べて公共投資のマイナス影響が大きいと予想している。一つには公共投資の経済成長に与える影響度が、かつてよりも小さくなっているため。加えて、このところ公共投資のうち一部は、予算が消化されずに未執行のままで終わる傾向が強まっているため、マイナス効果を大きく予想している。

異次元金融緩和が浸透し
設備投資と輸出が牽引

 一方、強気派はどうか。「アベノミクスにとって、これから重要なのは成長戦略・構造改革と言われるが、それには違和感がある。成熟した日本では成長分野は民間が見いだしていくもの。アベノミクスによってすでに構造は大きく変わっている」。こう指摘するのはメリルリンチ日本証券の吉川雅幸チーフエコノミスト。吉川氏によれば、消費税増税のマイナス効果を乗り越える理由は二つある。

 理由の第1は異次元金融緩和の効果が実体経済に浸透していくこと。白川日銀時代の金融政策はデフレ脱却を目指していたものの、消費者物価上昇率の目標は0~2%。これに対して欧米の中央銀行の目標はほぼ2%だから、長期的に見れば明らかに円高政策となっていたというのだ。