2013年は日本が大きな転換に踏み切った年だった。経済面では何と言っても「アベノミクス」に尽きる。黒田日銀が「異次元金融緩和」に踏み切り、10兆円を超える補正予算も手伝って、日本経済は回復基調に入った。さらに、2020年の東京オリンピック開催も決定、楽天の田中将大投手が24連勝という前人未踏の大記録を打ち立て、同球団は初の日本一にも輝いた。総じて日本経済には明るい雰囲気が戻りつつある。一方、安倍首相は年の瀬になって靖国神社に参拝し、日中、日韓との関係改善はさらに遠のいたようにみえる。

さて、新年はまず4月に消費税増税が実施される。景気への影響が懸念されるものの、財政再建には道筋がついたとは言い難い。さらに緊張高まる東アジア情勢に、安倍政権はどう対処するのか。2014年は午年。軽やかに駆け抜けることができるのか、暴れ馬のごとき年になるのか。経営者、識者の方々にアンケートをお願いし、新年を予想する上で、キーとなる5つのポイントを挙げてもらった。

①大胆な規制改革の断行により成長戦略の実行力が強まる

わたり・ふみあき
1936年生まれ、60年慶応義塾大学経済学部卒、日本石油入社、90年販売部長、92年取締役販売部長、95年常務、98年副社長、2000年日石三菱社長、02年新日本石油社長、05年会長、10年4月JXホールディングス相談役、同年5月から日本経済団体連合会審議員会議長も務める。

 政治のねじれが解消し、2016年まで国政選挙も行われないため、安倍総理は安定した政権運営のもと、岩盤規制の打破、社会保障改革、原発の再稼働、沖縄の基地問題などの困難な政策について、腰を据えて議論し、意思決定を着実に下していく。

 特に、昨年6月に公表された「日本再興戦略」では、混合診療の全面解禁や企業による農地所有の自由化などの規制改革が棚上げされ、踏み込み不足の感が否めなかったが、「規制改革こそ成長戦略の一丁目一番地」と位置付ける安倍総理の強いリーダーシップにより、こうした「岩盤規制」にもメスが入る。

 また、安倍総理が「成長戦略実行国会」と位置付けた先の臨時国会において、「国家戦略特区関連法案」や「産業競争力強化法案」などの重要法案が成立し、新たな規制改革の仕組みが導入されたことから、大胆な改革断行の突破口となり、成長戦略の実行力が強まっていく。