「新卒で1年間だけ正社員として働いたんですが、すぐに辞めちゃいました。そのあとは特に何もせずにプラプラしています。税金とかのことを考えたら、稼ぐことに興味がなくなっちゃって。でも、生活は切り詰めているので貯金もできているし、暇な時間が多くて毎日快適ですよ」

――会社組織が嫌だというのはなんとなく理解できるんですが、BさんはWebデザインなどの職能もあるそうですね。それならフリーランスで稼いでいくとか起業するとかはどうでしょう?

「うーん、興味ないです」

――興味ないならしょうがないですね。結婚を考えつつ貯金はするけど、フリーターにとどまるというのはちょっと矛盾しているかも、と思ったんですが。

「先ほどは結婚のためかな、となんとなく言ったんですが、本当は結婚に興味ないかもですね」

――まあ結婚だけが人生じゃないですからね。負け惜しみではなく?

「それはまったく苦労なく結婚できるならしたいですよ。ただ、結婚すると今のようなフリーター暮らしはできなくなるだろうし、子どもなんか生まれたらそれこそ養育費とか大変だし」

――やっぱり結婚すると責任とか取らなくちゃいけなくなるからね。孤独には耐えられそうですか?

「孤独耐性は結構高いと思います。一人でも平気です。おじいちゃんになったらちょっと大変かもしれませんが、その時も今の暮らしを持続するために、何となくお金は貯めてるイメージですね」

――結婚や子育てからは逃れることが可能ですが、老後だけは逃げようないですからね。ありがとうございました。

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 意志と覚悟を感じるインタビューであった。確かに孤独に耐性を持ち、最低限の老後の蓄えだけあれば、1人でフリーターとして生き続けることも不可能ではないはずだ。

 どちらかと言うと消費よりも人生観に対するインタビューになってしまった感があるが、話を聞いていてもそもそも本当に消費と呼べるものは少なく、必要固定費と無料で楽しめる趣味を最大限活かしているようだった。

 彼のインタビューからは、逆説的な将来の社会への不安と、責任を取りたくないという意志が交差する独自の人生観が明らかになった。