「食べる順番」は大切

 糖質は摂り過ぎない。これが第一なのですが、極端に糖質を排除する「超低炭水化物ダイエット」はお勧めできません。日本人は「ご飯」を中心に野菜や魚、肉類などを食べる混合食を続けてきました。このバランスを大きく崩す食生活には無理があり、"骨髄の機能低下による動脈硬化の促進"という危険も潜みます。糖質を敵視するより、適度な糖質を摂りながら血糖値の上昇をゆるやかにする工夫しましょう。

 そのひとつとして「食物繊維」の活用があります。

 食物繊維は野菜や芋類、豆類、海藻、キノコ類、穀物、果物などに多く含まれています。食物繊維には糖質の吸収を緩やかにする働きがあり、しかも先に食物繊維を食べておくと一層効果的なのです。ご飯と野菜サラダを食べるとき、野菜サラダを先に食べて後にご飯を食べると、先にご飯、後から野菜サラダを食べるのに比べ、血糖値の上昇が緩やかになります。

 食べる順番は意外と大事なんです。日常の食事でも、「食物繊維」→「蛋白質」→「炭水化物」というような順番で食べると、血糖値の急上昇が抑えられます。

 これは懐石料理の食べ方に似ています。食物繊維の多い野菜料理、海藻、キノコ類、豆などの小鉢をまず食べ、それから刺身や焼き魚などの魚や肉などに進み、最後にご飯を食べるというものです。家の食事でそこまでの贅沢な品数は必要ありませんが、まずは野菜類や豆、海藻などの食物繊維を食べてから、魚や肉などを食べて、最後にご飯という順番が理想的です。

 最初にご飯でなく野菜類を口にする習慣を身につけるだけでも糖化防止には役立ちます。外食でカツライスを食べるなら、まずカツの横のキャベツを食べてから、カツ、そしてご飯という順番ですね。

 2012年、ヨーロッパで行われた45万人を対象とした約13年の追跡研究では、食物繊維の摂取量は死亡率低下と相関しました。食物繊維の摂取が多い人ほど死亡率が低下したのです。死因別にみると循環器障害や消化器疾患、心血管障害、ガンと関係しない炎症性疾患の低下と特に相関していました。アンチエイジングに食物繊維は大いに効果あり、と言えるでしょう。

筆者紹介/くぼ・あきら》 
医療法人社団湖聖会銀座医院院長補佐/東海大学医学部 抗加齢ドック教授/慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科 特任教授 。1979年慶應義塾大学医学部卒業。1988年米国ワシントン州立大学医学部動脈硬化研究部門に留学。「高輪メディカルクリニック」を設立し16年間院長を務め、現在は医療法人社団湖聖会銀座医院を始め都内3カ所で診療を行う。人の老化度を測る「健康寿命ドック」「抗加齢ドック」を開発し、その結果に基いたソリューション(運動や栄養指導)を実践。生活習慣病の診療と予防医療・アンチエイジング医学の確立に注力。サプリメントやスポーツ医学の世界最先端の情報と実践を駆使した講演や企業のアドバイザーとしても活動している。