おくすり手帳を上手に使って
健康管理に役立てる

 今回の診療報酬改定では、医療費削減のためにおくすり手帳への情報提供は必ずしもしなくてもよくなった。だが、国民の健康を守るという観点からすると残念なことでもある。

 薬は正しく服用すれば病気の回復を助けてくれるが、使い方を誤ったり、飲み合わせを間違えると、大きな事故につながることもある。それを防ぐための重要なアイテムがおくすり手帳だ。

 薬局では、薬の名称、飲み方や使い方、1回の用量、副作用などが書かれた薬剤情報提供書が渡される。これを読めば、渡された薬の内容は分かるが、その他にも医療機関にかかっていて薬を服用している場合の飲み合わせまではチェックできない。

 おくすり手帳は過去に処方された薬の情報を1冊にまとめているので、手帳をみれば「他の医療機関から処方された薬との飲み合わせは問題ないか」「以前にのんだ薬で副作用が出たものはないか」といったことが判断できる。

 旅先で体調を崩して、現地の医療機関にかかった場合も、おくすり手帳を持っていれば、ふだん服用している薬がわかり、適切な治療も受けやすい。また、東日本大震災では、おくすり手帳を持っていた人は避難所での治療や薬の処方もスムースに受けられ、患者も医療者もその存在の有難さを実感していた。

 4月以降、医療費を少しでも節約したい人は、おくすり手帳への情報提供は省くのもひとつの手段だ。だが、希望者は、これまでと変わらない価格でおくすり手帳への情報提供を受けられるので、持病があって定期的に薬を服用している人やアレルギーがある人などは、自分の身を守るために引き続きおくすり手帳を持つことを勧めたい。

 せっかく医療費を支払って情報提供してもらうのだから、おくすり手帳は健康管理に役立つように最大限に活用したいもの。ときおり、医療機関ごとにおくすり手帳を分けている人を見かけるが、過去の服用履歴をまとめておくものなので、手帳は1冊にまとめるのがポインだ。

 また、アレルギーの有無、過去に飲んだ薬による副作用、ふだんよく使う市販薬やサプリメントなども記入しておくと、思わぬ健康被害を防いでくれて、薬剤師から適切なアドバイスも受けやすくなる。

 おくすり手帳を「持つ」「持たない」の判断は、家計の節約だけではなく、自分の身体の健康を考えた上で決めるようにしたい。