相手が何を欲しているかを
真剣に考える
「営業いうもんはな、女を口説くのと同じなんや!」
前回の文末で、こんな「営業論」を紹介しました。
若いころ、当時の勤務先だった自動車メーカーで上司であるSさんに、そう教えられたという同僚H.K氏が上海出張から帰ってきました。
早速、試みたディープインタビューを紹介します。
「とにかく営業成績は抜群な人でした。最後はグループの販売会社の役員にまでなったと思います。女を口説くのと同じだ、っていうのは、相手が何を欲しているのかを考えろ、っていうことなんですわ」
駆け出しの頃、上司のSさんは40代初めという年頃。
東京の医薬品会社で営業をしていましたが、郷里に帰ることになり転職したのが、その自動車メーカーでした。
「付き合いたい女性がいれば、相手が何を欲するかを考えますよね。若いころ、間杉さんもそうだったでしょ?」
そうだったかもしれません。昔のことは忘れましたが。
「相手によって欲するものは違うわけですよ。“好きだ”という言葉なのか、プレゼントというモノなのか、あるいはデートに行くという行動なのか。で、営業も一緒である、ということです。相手が欲するものが瞬時にわからないとダメだ、というのが彼の教えでした」
営業の場合は前回も述べたヒアリングによって、何を欲しているかを聞き出します。
欲しているもの、必要とするものは往々にして相手にとっても、ぼんやりと曖昧だったりします。私とH.K氏が携わる人材育成も、まさにそのケースと言えます。