その生まれ変わった新しい入札システムが4月17日から再スタートすることになる。問い合わせがあった順に対応し価格の折り合いを付けていく従来型(広く一般的な売買仲介型)と、最低価格と入札期日を決めて応札を求める方式である入札型の2種類を並行させる。

 現在の同社が扱うエリアは、首都圏のうち東京23区とその周辺都市(武蔵野市、三鷹市、横浜市、川崎市、浦安市、市川市など)で、現在はマンションだけを扱っている。エリアを限定し、物件もマンションに限定しており、専門性を謳っている。

 同社の安光哲夫取締役によると、「エリアを絞りそのエリア内での物件数を増やせば、エリア内の物件の売買希望者にとっては充実したサイトとなる。安易に全国に広げることは、結果的にいい物件がないということになりかねないので考えていない」と話す。

 同社のサイトで昨年3~11月の間に入札成約した物件は10件。そのうち、査定価格以上での契約は8件、売主希望価格以上での契約は、5件となっている。なかには、査定価格よりも200万以上高く、売主希望価格よりも100万円以上高く売れた物件もあった。

 一般的な中古不動産の売買における価格は、もっとも高いのが売主の希望売却価格で、その次に高いのが査定価格、もっとも安いのが買い主希望価格となるのが一般的だ。そして、大方の物件は、この査定価格と買い主希望価格の間あたりで成約される。

 先ほどの入札の例は、中古不動産売買の業界常識を覆すものだった。

情報の非対称性を解消することで
買い主と売り主の利益は最大化できる

 『住まいのバトン』の最大の特徴は鑑定士と建築士による査定をすべて公開していることと、さらに査定価格と希望価格も公開されていることだ。

 中立の立場の者が公正に査定を行い、基準価格を決める。そして売り主が納得感のある希望価格を明示する。これだけの情報が公開されていると安心して購入の検討に入ることができる。

 このような条件下でなら、希望する物件に出合えたら「多少高くても、安心して買える」というシチュエーションが生まれるのだ。

 さらに、同社では売り買いの両方の客を同社が見つける場合、売主側の担当者と買い主側の担当者を分けている。多くの不動産売買仲介会社では、同一の担当者が行う事が多い。

 しかし、それでは利益相反になる。冒頭に述べたように、高く売りたい人と安く買いたい人を、同一の担当者が担うのは売り主と買い主のためにならない。あくまで、売り主側担当者は“売り主のメリットの追求”、買い主側担当者は“買い主のメリット”の追求を行うということだ。

 景気回復が鮮明になってきたことや、住宅ローン金利は超低水準が続いている事などから、相変わらず不動産が売れ続けているようだ。

 40代を過ぎ、50代を迎えると子どもの成人も間もなくという頃だろう。さらに親も高齢となる。まさに、ライフステージが変わる人も多いだろう。

 こんな時に悩むのが、いま所有する住宅をどうするかだ。もしも手放して、次の暮らしを始める時に、キチンと査定され、適切な価格で売却できないとなると、次のステージに進めなくなるかもしれない。

 情報の非対称性の解消によって、「住み替えを簡単にできる社会」になれば、私たちはもっと人生を謳歌できるのではないだろうか。