石油・天然ガスなどの大型プラントの建設で、これまでに70カ国で約2万件のプロジェクトを手がけてきたエンジニアリング会社の日揮。2014年3月期決算は連結売上高が6900億円、経常利益が740億円といずれも過去最高を更新する見通しにある。海外に軸足を置く日本の専業エンジニリング3社のうち、“独り勝ち”の状態を続ける日揮を率いる、川名浩一社長が胸中を明かした。
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――今年2月中旬、マレーシアの国営石油会社であるペトロナスから日本企業として初めて、「FLNG」(船舶の形状をした洋上に浮かべる液化天然ガスの生産設備)の建造プロジェクトを韓国のサムスン重工業と組んで受注しました。これまで陸上にあるプラントに専念してきた日揮が、なぜ今、洋上の生産設備に出ていくのですか。
やはり背景には、世界的に石油や天然ガスなどのエネルギー源へのアクセスが簡単ではなくなってきたということがあります。
例えば、かつては石油を掘り当てれば、自噴といって、地下に閉じ込められていた圧力によって一気に吹き出すという現象がありましたが、今ではそのように回収が簡単な油田は掘り尽くされています。そこで、自噴しなくなった油田・ガス田に対して、水や二酸化炭素などの“強力な圧力”をかけて絞り出すように回収しています。いうなれば、「技術革新によって、掘り出せるようになった資源をかき集めている」としてもよいでしょう。