現代のオフィスワーカーと切っても切れない悩み。それが「腰痛」だろう。気がつけば2時間、3時間パソコンに向かい、ほとんど身体を動かしていない。腰は痛み、肩は凝り、目はショボショボ、手足はむくんでいる。こんな毎日が当たり前になっていないだろうか。
エコノミー症候群もそうだが、「座りっぱなし」は何よりも身体への負担が大きい。
米国の医療情報サイトMedical Billing & Codingは、ショッキングなデータを発表している。1日6時間座る生活をしている人は、3時間しか座らない人に比べて15年以内に死ぬ確率が40%増える。これは日常的にジムなどで運動をしたとしても当てはまるという。長時間の座りっぱなしが、いかに健康を害するかが良く分かるデータだ。
そこで、数年前から欧米では立ったまま仕事をする「スタンディング・スタイル」が広まっている。特にITワーカーの多いシリコンバレーでは、今や立って仕事をし、ときどき座るのが一般的なスタイルと言ってもいいほどだ。
そんなシリコンバレーのITワーカーたちに人気なのが、電動で高さを調節できる高機能デスクだ。「Sit&Standデスク」は、デスクの端に付いたスイッチを押すと、毎秒4~5cmの速度で昇降し、天板の高さをすぐに変えることができる。
文章を書いたりプログラミングなどに集中したい場合は座って作業。メール送信や情報収集、軽作業などは立って行う。こんなふうに仕事内容に応じて、姿勢を自在に変えられるのがポイントだ。
スウェーデンで生まれたこのデスク、もとは腰痛に悩む電話交換手のために開発されたものだった。その後、医療機器として販売され、1990年代以降、オフィス向けのデスクとして普及している。今ではスウェーデン国内の7割以上の企業が採用しているという。