将来的にはアフリカの
保健医療の分野で活用したい

――日本でも銀行のATMなどで静脈認証が活用されているのを見ますが、この技術が広く普及したときの社会はどのようなものになるのでしょうか。

モフィリアの静脈認証用の端末 Photo by N.G.

 先ほど申し上げように、とても小さな容量のデータで、簡単に識別できますし、導入も簡単なので、おっしゃるようにATMのほかに、家のカードキーに活用して、本当にカードキーの持ち主が使っているかどうか、というのも簡単にできるでしょう。

 私には志があって、実質、ローテクしか存在しない社会、たとえば発展途上国、未開発国でこの技術を活用することです。

 ある程度ビジネスに成功したら、アフリカの保健医療の分野でこの技術を活かしてみたいと思っています。アフリカの貧しい国では、親が子どものワクチンを打つ権利を売って現金化して、パンを食べさせてしまうことがあるんです。それで、子どもたちはワクチンを打たずに病気になって、場合によっては亡くなってしまう。

 そういう社会で、静脈情報を登録して、必ずその子にワクチンを打たせる。他人のワクチン接種の権利を使おうとしたら、それができない仕組みを作る。親も邪心でワクチン接種の権利を食糧のために売ったりしなくなると思う。

 非常に小さな容量で、簡単に、静脈のある人なら誰でも識別できる。静脈認証には大きな可能性があると思っています。

――しかし、導入するにはシステム導入の費用など、お金がかかりそうです。

 たとえば、先ほど言った家のカードキーに静脈認証のシステムを付ける場合、ほんの数万円でできます。導入の仕方にフレキシビリティがあるので、費用についても同様にフレキシビリティがあります。導入するユーザーの状況によって、導入の仕方はいくらでもあります。