「インドは民主主義の国です。裁判制度もしっかりしており、法令順守の精神も根付いている。つまり政治リスクが少ない。他の民主主義国と同じように、コンセンサスを取るまでに時間はかかりますが、一旦決まったことに関してはきちんと進んでいくフェアな社会。経済政策に関して、外資系企業も安心して投資できるでしょう」

英語がビジネスの公用語という利点
国民平均年齢22歳の人口ボーナス

 そして徳山氏も指摘するが、インドの魅力として英語がビジネスの公用語であることも大きい。つまり世界中の企業がインドでビジネスをすることが可能なのだ。これに加え、ITの世界では、すでにインド人がリーダーとして多くの企業、業界を牽引している。

「インドではこの半世紀、高学歴の勤勉な学生はサイエンス系の学問に進む傾向にある。エンジニア、数学者、医者などです。インド人の英語とサイエンスの基礎力が、世界経済の中で、特にITではリーディングプレーヤーとして有利に作用しています。ビジネスマインドもグローバルな水準にあります」(レベロ氏)

 人材に関して忘れてはならないのが、インドには若い人口が多いことである。国民の平均年齢は22歳程度で、これは人口ボーナスといえる。平均年齢が41歳の中国と比べて、決定的な差だ(日本は46歳)。

「こうした若いインド人たちが、『よりよい生活』への強い意志を持って日夜勉強しているし、また大きな労働力、消費を生んでいます。彼らは、インド国内はもとより、世界中で活躍している。その点からも、インドのマーケットと人材は、中国よりはるかに魅力的であると思います」(レベロ氏)

 ここまで話を聞くと、日本にとってインドは「いいことづくめ」の国のように思える。では、日系企業がそんなインドに進出し、実際に現地でビジネスを成功させる上での留意点はどこにあるのだろう。現地で様々なインド人と交渉を重ねてきた徳山氏に聞いた。