日本は「主権在民」なので、公共事業の決定権は国民・住民にあるのが建前だ。しかし、中央政府や中央官庁が実質的に決定権を握っている現実がある。これもまた、言わずもがなの話であろう。公共事業の「主体」は、「中央政府・中央官庁主導型」と「地域・住民主導型」に大別される。カネの出所で見ると、「国のカネ」と「地元自治体のカネ」となる。もっともいずれも税金であることには変わりない。

 3つめの「財源」というのは、借金への依存度の違いに視点をあてたものだ。将来へのツケ回しを躊躇せずに事業を実施する「ツケ回し型」と、世代間の負担の公平性に留意する「計画借金型」に大別される。

税金の集め方が生み出し弊害を内包
中央主導の「景気浮揚型」公共事業

 公共事業の実態を3つの視点で分析すると、それぞれがワンセットになっているケースが多い。AタイプとBタイプだ。

 Aタイプというのは、前者の集まりだ。つまり、目的が「地域の景気浮揚型」で、主体は「中央政府・中央官庁主導型」、そして、財源の「ツケ回し型」である。一方のBタイプは「地域課題の解決型」で「地域・住民主導型」、そして「計画借金型」だ(もちろん、AタイプでもBタイプでもない混合型の公共事業もある。たとえば地域景気浮揚型で、地域・住民主導によるツケ回し型公共事業がある)。

 ここ20年ほど全国を取材して回り、Aタイプの公共事業がほとんどだと実感している。税金の集め方などの仕組みそのものがAタイプを生み出し、助長している面があるからだ。

 このAタイプの公共事業は、様々な弊害を内在させている。そもそもカネを地域に落とす(使う)ことが主目的なので、無駄という概念が希薄となってしまう。また、中央政府や中央官庁が事業の規模や基準を設定するため、地域の実情に合わない過大過剰な事業となりやすい。

 さらに、中央官庁が縦割りでそれぞれ事業展開するので、重複も生まれやすい。それでも各自治体は、国のカネ(予算)が地元に落ちるメリットにのみ着目し、ひたすら事業を推進するのである。