岡田氏はその著書の中で、日本代表のメンタル面における課題として、「日本人は欧米の選手に対し、(身体能力などの)個で勝てないと決めつけていること」や、「『そんなの無理だよ』と、最初から言ってしまうドリームキラーの存在」などを挙げていた。

強豪国の選手との間に執着心の差が?
日本代表のメンタル面での不安とは

 そして今年のブラジル大会を前にしても、岡田氏はやはりメンタルを最重要課題として指摘したわけだ。

 冒頭のサッカー番組において、岡田氏は「過去のW杯における日本の(点を取れなかった)ビッグチャンスと失点場面を振り返ると、(戦術や相手の身体能力ではなく)相手へのマークが甘くなったり、一瞬足を止めていたりといった基本的なミスが起因になっている」という主旨の発言をしている。そしてそれは、「技術ではなく、『まあ大丈夫だろ』と構えてしまうメンタルの問題だ」と述べた。

 この課題は前回大会のときから感じており、その背景に「強豪国の選手との執着心の差」を感じたという。そこで岡田氏は、試合前の選手たちに過去の失点場面を全て見せ、わずかなミスがスタートになっていることを自覚させた。そうすることで、自分の執着心が勝敗を分けることを選手に気づかせようとしたのだった。

「メンタル」という言葉からは、「諦めない精神力」や「平常心を保つ冷静さ」などを連想しがちだ。しかし、わずかなミスにおいても「メンタル」の存在が大きく関わっているというのが、岡田氏の考えだった。

 ではメンタルの専門家は、W杯に挑む選手たちのメンタルについてどう見ているのだろうか。サッカー選手を中心にスポーツ選手のメンタル強化をサポートする株式会社メンタリスタ代表・大儀見浩介氏に話を聞いた。

「応用スポーツ心理学」をベースにメンタルトレーニングを行っている大儀見氏は、女子サッカー日本代表として活躍する大儀見優季選手の夫でもある。W杯という“結果が求められる大舞台”において鍵となる、日本代表のメンタル的なポイントをいくつか挙げてくれた。その中でまず大切なのが、「どのように自信をつけるか、そのやり方」だという。