先週の総括

 先週の日経平均株価格は、もみ合いからジリ安の展開となった。16日発表の日本の実質GDPは、年率の前年同期比がマイナス12.7%となり、第一次石油ショック以来の大幅な悪化となった。

 株式市場はほとんど反応しなかったものの、その後米国株式市場が金融不安を背景に続落、日経平均株価も連れ安することとなった。為替のドル円が94円台と円安方向に振れたものの、好材料視されず、結局前週末比4.7%安い7416円で引けた。

 規模別には、大型株の下落率が大きかった。TOPIXの大型株指数は年初来安値を更新した。マザーズ指数は先週末比6.1%の下落となった。業種別には電力ガス、輸送用機器、空運のみ上昇し、その他金融、紙パルプ、不動産が大きく売られた。

今週の予報

医薬品業界:業績の安定性は評価できるが、日米ともに医薬品市場に不透明感が強く「曇」→「曇」

曇 曇

 今週の日経平均株価は、もみ合いからジリ安を予想する。経済指標は下げ止まりを示す数字も散見され始めたが、株式市場は反応せず、逆に悪い材料には敏感に反応している。

 米国のダウ平均が昨年11月20日の安値7552ドルを割り込んだため、日経平均株価についてもしばらくは下値模索の展開を予想している。

 医薬品大手(武田、アステラス、第一三共、エーザイ)の第3四半期決算が出揃った。薬価改定や円高の影響で、各社ともに前年同期比で営業減益となった。マイナス41%の大幅な営業減益となった武田薬品は、米国ミレニアム社買収・TAP社統合に伴う会計の影響が大きい。