マイケル・
マオズ
ガートナー バイスプレジデント 兼 最上級アナリスト

 同僚2人がクライアント訪問を終え、クアラルンプール、ジャカルタ、シンガポール、台湾、中国の一部(政治的立場によっては、他の一部)からちょうど戻ってきた。彼らが得た見解は、我々が世界の大半の地域で目にしていることと一致している。すなわち、次世代のCRM(顧客管理)のためのデスクトップ、モバイルインターフェース、または、顧客エンゲージメントへの高いケイパビリティを備えた顧客第一主義のウェブポータルサイトを構築する場合、選択肢が極端に制限されているのだ。

 そもそも、ウェブ、モバイル、エージェント機能を統合する製品をソフトウェア企業1社に展開してもらうのは、世の中のほとんどの企業や組織には実現不可能である。

 いかなる使われ方であれ、最も取るに足らない使われ方のための最適な機能、例えば、ソーシャルメディアとの連携、ビジネスルール、次に行うべき最良のアクションのためのアドバイス、マルチチャネルの統合を含んだ顧客のシングルビューなどを完備したカスタマーサポートのインターフェースを構築するとしよう。そんな機能を提供できるベンダーはせいぜい1社、もしくはゼロだろう。銀行業や医療保険、航空会社、大学、公共施設などには、どれくらいのベンダー候補があるだろう? おそらく、たった1社だ。