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メールを1通見ると、仕事は22分中断!
不要な情報を捨て去るセンスはどう磨く?
――ノリーナ・ハーツ氏に聞く

大野和基
【第43回】 2014年7月24日
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 ご存じのようにビッグデータは企業に膨大な新しい機会を提供しています。自分たちの顧客や環境についてテクノロジーを使って膨大な情報を提供してくれます。ソーシャルメディアやツイッターだけではなく、顧客の行動をもっと綿密にモニターできます。

 例えば私が住んでいるイギリスでは、キャメロン首相はiPadを使って、失業についてグーグルトレンドをモニターしています。

 2011年10月16日、首相官邸で危機が起きました。突然、職探し(search for jobs)のグラフが突出したのです。その原因を調べるのに2、3時間かかりましたが、スティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)が亡くなった日で、みんなが検索で“Jobs”と入れていたのです。テクノロジーは我々にたくさんの機会を与えてくれますが、自分の脳のスイッチをオンにしておかなければなりません。

自分の先入観を疑ってみる

――この本の英語のタイトルは「Eyes Wide Open」ですが、「目を大きく開いて」という意味ですね。具体的には何を示唆しているのでしょうか。

ハーツ:もっとも賢い意思決定をするには、他人の意見に対して、進んで疑問をぶつけなければならないのと同時に、自分の考えにも疑問をぶつけなければなりません。

 専門家の意見によって間違った方向に行くことがありますが、それだけではありません。情報そのものが誤解を生みやすいこともあるのです。自分の偏見や思考の間違い全体を方程式に入れて、考える必要があるのです。目を大きく開いている状態にしておかないといけないということです。

 たとえば、我々は生まれながらにして“楽観的”です。何かポジティブなことを強化する情報を耳にすると、その情報に注意を集中します。高額で売られた家のことが新聞に出るたびに、家の値段が上がっていると思い込んでしまいますが、それが金融緩和やバブルで起きているという情報を無視しているのです。

 偏った情報には注意しないといけません。本の中には、非常に頭のいいビジネスマンや政治リーダーが、間違ってした意思決定を振り返って、いかにしてそういう間違いを犯したのか、将来どうやったらより良い決定ができるのか、という例をたくさん紹介しています。

過去の延長上に
未来があるとは限らない

――さきほどビッグデータの話が出ましたが、以前『ビッグデータの正体』の共著者であるケネス・クキエ氏にインタビューしたときに、我々は今までにない方法で将来を予測できると言っておりました。

ハーツ:ビッグデータの将来性・可能性については私も非常にワクワクしています。本の中でもビッグデータのいろいろな例を挙げていますが、ビッグデータという言葉は包括的な用語です。

 小売店がroyalty card(店専用のメンバーカード)から集めた購買データもあれば、会社がネットショッピングから集めたデータもあれば、天気や収穫などをモニターするバイオメトリック装置から集めたデータもあり、本当にデータの幅は広いです。そのデータをいかに利用するか、それを考えると大きなチャンスがあります。

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