【解 説】新生バイオ社の企業価値が50億円の理由
文京銀行は新生バイオ社の制約となっているマネジメント力がテコ入れされれば、売上高300億円、税引き後営業利益(NOPAT)20億円が最低5年間は続くと予測しました。
実は、どのようにして見積もったかが重要なのですが、実務では根拠があいまいなことが多く、新生バイオ社も同じくはっきりした根拠はありません。
文京銀行の調査報告書では、NOPATに複利年金現価率をかけて企業価値を計算しています(図表0-1)。
NOPATを用いた根拠は、中期を前提とした場合にフリーキャッシュフローの近似値と見なせるからです。
以上を前提とした場合、図表0-2から明らかなように、3年間で投資資金の50億円が回収できる計算になります。
したがって、文京銀行としては50億円でも安いとの判断で新生バイオ社を評価したのでした。この企業価値が正しいかは検証が難しいことはいうまでもありません。この点を念頭に読み進めてください。
(つづく)
※本連載は(月)(水)(金)に掲載いたします。
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